本屋に裏を返す。

 
 今朝は早い仕事があるためいつもより急いで出勤する。


 ある場所を開けに行くとすでに数人がドアの前で待っていた。解錠して受付業務。


 自分の持ち時間を過ごしてデスクまで戻ると今日から僕が世話係をする研修生が待ち構えていた。朝食をとる暇も与えてくれず、質問攻めに。


 質問のつぶてをかわしながら机にへばりついて仕事をウンウンとこなす。なんとかあと少しというところまで来た。もう一踏ん張りすれば最後まで行けるのだが、ガス欠でミスを誘発しそうなため、今日はここまで。ここを過ぎず。


 この夏の海外出張の日程が決定する。7月中に10日間またカナダに行くことになった。


 昨日竹中労本をひろったサブカル系古本屋へ今日も行く。昨夜の情けを忘れず廓噺で言うところの“裏を返す”というヤツですね。
 さすがに2日続けて掘り出し物はなし。100円棚に30年ほど前の小川国夫本があったので、追悼の意味を込めて買っておく。

  • 小川国夫「漂泊視界」(角川文庫)


 《昭和45年末から47年夏頃に書かれた著者の第二エッセイ集》であり、同時代の作家や作品への言及が多く興味深い。言及されているのは、藤枝静男庄司肇三枝和子古井由吉阿部昭、森内俊雄、吉田知子島尾敏雄井上光晴後藤明生大岡昇平埴谷雄高など。
 奥付を見たらこの角川文庫は韓国で印刷された物であった。あの頃は韓国で印刷した方が安かったのだろうか。


 帰宅して、扉野良人「ボマルツォのどんぐり」(晶文社)から2編ほど読む。詩人・永田助太郎の作品を初めて読んだ。不思議な魅力がある。横文字が飾りでなく、嫌みでもなく詩の中に嵌め込まれている。


 その後、仕事の本をあちらこちらつまみ読み。