久しぶりに休日。10時近くまで寝ていた。
昼過ぎから出かける。わめぞグループの新しいイベント(月の湯古本まつり)が決定し、先日旅猫さんからきたメールに外市参加者は新イベントにも参加してもらいますというお達しがあり、それならいつも以上の量が必要になるため、本日は仕入れの旅に出ることにしたのだ。
まずは、伊勢佐木町周辺の古本屋をめざす。
馬車道駅で改札を出て地上への道を歩いていると、通りすがりの若者が振り向きながらこちらの顔を覗き込む。誰かと思えば保育士をしている若い知人だった。こちらは花粉用のマスクで目しか出ていないのによくわかったものだ。
「伴侶の方はまだなんですか?」と痛いところを突かれる。
「こっちにその気があっても、相手にその気がなければどうにもならないからね。」と10年前と同じ返答をすると、微妙な表情で笑っていた。
知人と別れ、地上にでるとそこには誠文堂書店が。
「刺す」は佐野繁次郎装幀本。本文中にも挿画が入るサノシゲファンにはありがたい1冊なのだが、箱に汚れがあるため200円だった。3冊合計で1000円。古本て安いもんだな。
伊勢佐木モールの古本屋を数軒覗いてからブックオフへ。いろいろ買ったなかで、Q.B.B.「中学生日記」(新潮文庫)、橋川文三「日本浪曼派批判序説」(講談社文芸文庫)、酒井伝六「ピラミッド」(學生社)がうれしいかった。「ピラミッド」も佐野繁次郎装幀本。今日は久しぶりにサノシゲ本が豊漁だ。「中学生日記」は、最近山下敦弘監督による映画のDVDが発売された。これも欲しい。
次は白楽駅へ。六角橋商店の坂を下りながら自分がこの街で独り暮らしをした6年間が20代の後半の日々であったことに思い至る。当時あった二番館の紅座(角田光代さんの作品にも登場する)や日曜の昼食の定番だったモスバーガーもすでにない。その代わり新しいベトナムカフェやとんかつ屋などができている。
高石書店に行くつもりで歩いていたが、昼食をまだ食べていないことを思い出し、店の前を素通りしてすこし先にあるラーメンの六角家に入る。この店は横浜家系ラーメンの有名店で、ラーメン博物館にも出店している。昔住んでいたころは、営業時間が不定期なのと、いつ行っても行列ができていたのとで6年のうち2度ほどしか行っていない。今日は空いていた。濃厚な豚骨醤油ラーメンを食べる。悪くはないけど僕には濃過ぎる感じ。この後喉が渇いて困った。
高石書店に戻り、2冊購入。
- 芥川文「追想 芥川龍之介」(中公文庫)
- 「『漫画読本」傑作選」(文春文庫ビジュアル版)
前者は幻の“肌色文庫”を今年こそ一箱古本市で実現させるために仕入れておく。後者は、漫画は言うまでもないが、エッセイを寄せているメンバーが豪華なので(山口瞳、植草甚一、筒井康隆、殿山泰司、加太こうじ、山本嘉次郎、安藤鶴夫、吉行淳之介など)。
六角橋の坂を戻り、鉄塔書院へ。買いそびれていたこちらを半額で。
安吾の一粒種である綱男さんによるフォトエッセイ。
駅に向かいながら、ちょっとブックスオオクラにも寄り道。店内では何も買えなかったが、店頭に3冊200円コーナーを発見。古本者魂に火がつきこの3冊を抜く。
「風に吹かれて」はもちろん佐野繁次郎カバー版。なんと今日は3冊サノシゲ本を買ってしまった。
帰宅して今日の携帯本であった読みかけの「名短篇、ここにあり」(ちくま文庫)を読了。今日読んだのは多岐川恭「網」、戸板康二「少年探偵」、松本清張「誤訳」、井上靖「考える人」、円地文子「鬼」の5篇。この中では「考える人」が一番面白かった。
教育テレビでやっていた市川崑監督のトキュメンタリー番組を少し観る。思っていたより、スタイリッシュで面白そうな作品が多い。TSUTAYAで探してみようかな。
わめぞ新イベントの告知を以下に。都合がつけば是非参加したい。
■第1回 月の湯古本まつり〜銭湯で古本浴〜
月の湯は昭和8年創業。木造破風造り建築で、浴場には富士山のペンキ絵、
床は今ではめずらしい六角形のタイルを使ってある昔ながらのたたずまい
の銭湯です。現在は週3日の営業。そんな定休日の銭湯をまるまるお借り
して、古本市とトークショーを開催。カフェスペースもご用意いたします。
■日時
4月5日(土)11:00時〜18時30分 雨天決行
■会場
月の湯 東京都文京区目白台3−15−7
月の湯
◎古本市(場所:女湯 風呂場、脱衣所)
■参加者
火星の庭(仙台)
古書ほうろう(千駄木)
オヨヨ書林(根津)
古本オコリオヤジ(林哲夫)
善行堂(山本善行)
ふしあな書店(扉野良人)
岡崎武志堂(岡崎武志)
古本けものみち(南陀楼綾繁)
文壇高円寺(荻原魚雷)
▼わめぞオールスターズ
古書現世/立石書店/藤井書店/m.r.factory(武藤良子)/
旅猫雑貨店/リコシェ/ブックギャラリーポポタム/bukuぶっくす
退屈文庫/琉璃屋コレクション ほか
◎トークショー(場所:男湯 風呂場)
■第1部 14:00〜15:00
岡崎武志さん「坂を登れば文学がわかる」
「坂」が出てくる小説を通して岡崎武志さんが文学をわかりやすくレクチャーします。 定員30名。
岡崎武志さんブログ http://d.hatena.ne.jp/okatake/
■第2部 16:00〜17:00
大竹聡さん、遠藤哲夫さん「酒とつまみと男と男」
「酒とつまみ」編集発行人の大竹聡さんと、「大衆酒場の詩人」の異名を持つ『汁かけめし快食学』(ちくま文庫)の著者である遠藤哲夫さんの酒飲み話。公開飲み会です。 定員30名。
遠藤哲夫さんブログ http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/
「酒とつまみ」ブログ http://blog.livedoor.jp/saketsuma/
▼予約受付は3月1日(土)から。予約方法は「わめぞブログ」にて改めて発表します。3月1〜2日に開催の古書往来座外市会場でも受付いたします。 http://d.hatena.ne.jp/wamezo/
入場料は両トーク共に、銭湯と同じ各430円。
◎カフェ(場所:男湯 脱衣所)
萬福亭チキンライス(古書ほうろう)
焼き菓子/mws a point(ムーズアポワン・目白)http://mws.holy.jp/blog/
お茶/乙女湯のたしなみ http://otomeyu.exblog.jp/
ソフトドリンク各種、ビール、酒類の販売もあり
※数に限りがございます。売り切れ次第終了となります。
■注意!
トークショー開催中は,トーク参加者以外の方はカフェをご利用いただけません。古本市スペースは終日出入り自由です。