ルール無用の悪党。

本日も歩いて出勤。野外で仕事をしているとあちらこちらから散った桜の花びらが南風に乗って飛んでくる。


仕事を終えて池袋へ出る。今日で最終日となるリブロの古本市を覗く。思ったより本が多い。

  • 三宅艶子「ハイカラ食いしんぼう記」(中公文庫)
  • 松崎てる女「亀のごとく 元『萬朝報』女性記者の半生」(青峰社)

前者は奥乃庫という店の本。中のカットが佐野繁次郎画伯である。だけど表紙は東郷青児画。
後者は宇野千代が序を書いている婦人記者のはしりともいわれる人の回顧録九曜書房の棚から。


リブロを出て往来座まで歩く。店内に入ると瀬戸さんの方から声をかけてくださる。一度お会いしただけなのだが、覚えていてくださったようだ。

卑弥呼」は最近探していた本なのだが、日記を読んでくれていた瀬戸さんが「ありますよ」と持ってきてくれた。瀬戸さん、ありがとうございます。
文春文庫の矢野本は全部集めようと思っているもの。和田誠さんの装幀もいい。解説は小沢昭一氏。


せっかくここまで来たのだからと帰り道、高田馬場で途中下車。古書現世へ。
店頭に置いてある『未来』4月号(“読書特集2006”)をいただいて、店番をしている向井さんにご挨拶。話をしていると岡崎武志さんの追っかけとして有名なYさん&Nさんのコンビがご来店。楽しくお話をさせてもらう。

この本はリブロの古本市でも見かけたのだが、値段の点で折り合わず見送ったもの。さすが古書現世、良書が安い。しかも、おまけしていただく。向井さん、ありがとうございました。


高田馬場駅まで戻り、BIGBOXの古本市を覗く。

後者の帯には“また、買ってしまいました”の文字が。思わず己を振り返り、苦笑する。


先程、Nさんから僕の日記を読んで、ご自分の本を買うルールを決めたという話を聞いたり、また、おまささん(id:mittei-omasa)もあまり本を買いすぎないようにルールを作ったことをTBで知ったりしたのだが、結局言い出しっぺが古本を除外したためにこの有様。全然買う本が減ってないですね。むしろ増えている気さえしてしまう。もともとが、本を買わなくすることよりも、買った本をもっと読むために始めたルールだから、仕方ないか。それにしても、これでは読む方が追っ付かないので、今週は古本屋及び古本市には近づかないことにしようと思いながら帰宅。


蕎麦と豆腐+納豆+すりゴマ+ポン酢の夕食を終えてから、早速「卑弥呼」を読み始める。本の話題と下ネタ満載の遊び心に溢れた作品だ。時折、声をあげて笑ってしまう。登場人物のネーミングでも久世さんは楽しそうに遊んでいる。ヒロインのユウコが勤める出版社の社員たちには、早稲田出の坪内がいる上に、物知りの副編集長が池内と名付けられているのは伊丹十三氏の本名から来ているのだろうし、別の副編集長の紀田は言うまでもなく順一郎という名前なのだろう。
しかし、この小説が読売新聞の夕刊に連載されていたとは驚く。やるじゃない読売。それにしてもこんなに面白い小説を絶版にするなんて、新潮社もどうかしているよ。洲之内徹文庫とともに速やかに復刊することをおススメする。
とりあえず、第二章まで約140ページほどを読む。続きは明日。楽しみ。


今日は読了本はないため、買える新刊は変わらず。これだけ、古本を買っておきながらまだ言うかと我ながら思いつつ、アニメ「タイガーマスク」の主題歌にある《ルール無用の悪党》という言葉が頭の中に響きわたる。


【購入できる新刊数=4】