確信のとき。


 夕方仕事を終えて退勤。本屋へ。
 講談社文芸文庫の棚にあった「講談社文芸文庫解説目録」が欲しくて文庫と雑誌を買い、一緒にレジへ。


 「名短篇、さらにあり」は先月出た「名短篇、ここにあり」の続編。舟橋聖一永井龍男林芙美子久生十蘭、十和田操、川口松太郎吉屋信子、内田百閒、岡本かの子、岩野泡鳴というラインナップは前著より渋めで楽しみ。
 『coyote』は“モン・ブランへ”。先週あたりの「世界の車窓から」がマッターホルンやモン・ブラン近くを走る列車を映していたのでつい山男でもないのに雪をかぶった山岳の写真にふらふらと手に取ってしまった。


 駅前のよく行くつけ麺屋が近くの場所に移転し、広くなる。これまでは5人がけのカウンターだけだったので、すぐ満員になり、入れないことも多かったのだが、新店舗は10人は大丈夫だ。待つことなく座れ、いつもの味玉つけ麺を楽しむ。つけダレの味がよくなっている気がする。



 今日もミニストップへ。店内にいるのは昨日と同じ店員3名。レジへ行くと改装後に加わった男性が応対する。そのしゃべり方や物腰に「自分はアルバイト店員とは違うんだぞ」というような何か構えたものを感じる。胸の名札は他の店員と同じなのだが、その下に何やら自分の目標を書いた名札と同じ大きさのカードがぶら下がっている。それらもろもろから考えてこの人が店長であるという確信に至る。やはり、オカマ言葉の店長はいなくなってしまったと考えざるを得ない。


 帰宅するとポストに『Monthly Takamitsu』135号が届いているのを見て、どきっとする。今月からの購読代(切手)を払う前に送ってもらってしまった。とうに購読代の切手は購入してあるのだが、忙しさにかまけてまだ送っていなかったのだ。ひと月経つのってはやいなあ。すみません、岡町さん。すぐ送ります。


 『Monthly Takamitsu』は2007年度収穫回顧号。映画編ベスト1の「かぞくのひけつ」(小林聖太郎監督)はぜひ観てみたい。書籍・雑誌篇に挙げられている本の中で読んだものはみんなよかったと思う。


 食後の散歩と外市仕入れを兼ねてブックオフへ。一青窈「BESTYO」を聴きながら行き、ヘレン・メリルヘレン・メリルウイズクリフォード・ブラウン」を聴きながら帰ってくる。
 最近この店の105円文庫棚がけっこういい。その分単行本の方は期待薄なのだが。そんなわけで文庫をたくさん買ってしまう。
 その中で自分用にこれらを買った。

  • 和田靜香「ワガママな病人VSつかえない医者」(文春文庫PLUS)
  • 中山康樹「リッスン ジャズとロックと青春の日々」(講談社文庫)
  • 佐藤喜一「鉄道の文学紀行 茂吉の夜汽車、中也の停車場」(中公新書


 和田本はNEGIさんのオススメ本のひとつだったのを覚えていたので。中山本は元『スイング・ジャーナル』編集長による自伝。佐藤本は題名の通り、近代文学を鉄道との関わりで語ったもの。新刊時に買いそびれていた。


 帰りに聴いたクリフォード・ブラウンのトランペットがあまりによかったので、続きを風呂に入りながら聴く。シャワーではなく、ゆったりと湯舟につかりながら。ヘレン・メリルの歌が終わり、満を持してブラウンのトランペットが鳴り出すその瞬間の心地よさ。あとはその伸びやかで豊かな音に身と心をあずけ、湯の中でぼんやりしていればいいのだ。至福。