オフとOFF。


 本日、初出勤。昼過ぎまでいて退勤する。


 天気もよく、風もなく穏やかで暖かい。いい正月だな。


 歩いてひとつ先の駅まで行く。ここに7日で閉店する古本屋があり、全品50%OFFセールをやっているのだ。まずは、モスバーガーで昼食。まだ正月休み体制なのか、いつもの若者のスタッフはおらず、この店の経営者かと思われるような年配の男女とカウンターの留学生と思われる東洋人女性がひとり。
 北のコロッケとテリヤキチキンを頼んで、席で加藤典洋アメリカの影」(講談社学術文庫)を読み出す。昨日読んだ坪内祐三アメリカ」で、この本がとりあげられていたのだ。
 思いのほか早く運ばれてきた北のコロッケバーガーは熱い部分と冷めた部分が同居しているという不思議な感じであり、届けられたばかりであるテリヤキチキンも熱くも冷たくもないぼんやりとした様子。どうもいつものモスらしくなかった。


 目的の古本屋に行く前に、目の前にあるブックオフに寄ってしまう。この店もなにかのセールをやっているのではないかと期待していたのだが、単行本2冊1000円セールが明日で、文庫本2冊500円セールは明後日とのこと。その告知がうるさいくらいに繰り返し流される。それを聴くたび、今日来たことの迂闊さを責められているような気分になる。珍しくブックオフで1冊も買わなかった。


 目指す古本屋へ移動。この店はサブカル系を中心としながら、映画、美術、芸能、音楽、宗教、演劇、江戸東京、戦記などバリエーションもあり、マンガ、CDの他にオリジナルのTシャツも販売していた店なのだが、メインストリートから入ったあまり人通りのない横道にあった。その場所と近くにブックオフの大型店があるということがやはり閉店に繋がったのだろう。


 店内にはセールとあってけっこう人が入っていた。すでに棚のあちこちに隙間があり、当然プロの人がめぼしい本は抜いていった後なのだろう。一通り棚を見て以下の本を選ぶ。

 上から300円、500円、250円、200円。
 鷲尾本は文藝春秋社の編集者だった著者による回想集。
 片岡本は2007年の収穫として複数の人が挙げていた短篇集。
 横尾本は1980年から83年にかけての日記本。
 水村本は単行本で読んだのだが、そのうち文庫で読み直してみたいと思っていた長編小説。


 地元に戻りユニクロを覗くが、買おうと思っていたヒーティックのアンダータイツは売り切れであった。明日からの外市での寒さ対策の秘密兵器として期待していたのだが、あえなく僕にとっても秘密のままで終わることに。


 帰宅後、停年退職した職場の先輩(元上司)の出した自費出版本(3冊目)を読み始める。今日職場から持って帰ってきたのだ。1冊目と同じ入院日記なのだが、前回が耳鼻科であったのに対し、こちらは肛門科。病気の発見から入院・手術、そして術後の痛みとの戦いが具体的に綴られていく。入院患者仲間や看護婦さんたちにあだ名をつけ、それぞれの人物像を細かい観察で描き出している。そのどこかユーモラスな筆致が、「痛い」が頻発する日記を暗くジメジメしたものになることから救っている。2時間半ほどで245ページを読み終えた。


 9時から「のだめカンタービレINヨーロッパ 第一夜」を観る。御馴染みの上野のだめと玉木千秋を楽しむ。展開はお決まりのパターンなのだが、それでも演奏場面で盛り上げて、音楽っていいなあと思わせてくれるカタルシスがあるので飽きないのだ。


 明日から2日間、池袋の古書往来座外市が開催されます。僕も伴健人商店として出品しておりますので、よろしかったら足をお運びください。
 今回は明日の午前中を除いて往来座にいる予定です。