峰不二子とチャーリー・ブラウン。


 雨があがって蒸し暑い。思わず傘を持たずに家を出てしまった。


 昼を食べる暇なく仕事が飛び込んでくる。

 その忙しい最中に仕事で一緒にいるある人を見ながら、この人は自分とまったく関係のない世界の人だなとしみじみ思う。それを考えるとこの数ヶ月間自分が見たり、思い描いたりしたものはなんだったのだろうと愕然とする。結局自分も人を自分の見たいようにしか見てこなかったということか。


 やっと、一段落ついて明日締め切りの仕事にかかっていると内線電話が。僕が管理責任者の一人となっている建物でアクシデントが起こる。直接の担当者が退勤していたため、唯一責任者の中で残留していた僕にお鉢が回ってきたのだ。アクシデント自体は些細でくだらないことなのだが、結局事後処理に1時間近くかかってしまう。
 机に戻ると、先程までやっていたパソコン作業で使用中のソフトに不具合発生。プリントアウトができなくなり、ここでやる気がなくなったため、退勤する。


 本屋へ。

 昨日買えなかった雑誌と昨日は置いていなかった講談社文芸文庫の新刊を買って帰る。


 バスを降りて、近くのコンビニへ。先日置き忘れた傘があるかと思ったが、やはりもうなかった。
 レジ横にドリンクのキャップについているオマケのフィギアが並んでいるのだが、今日レジ待ちでそれをよく見るとセクシーなポーズをとる峰不二子とぼんやりとした表情のチャーリー・ブラウンがお互いを見つめあっていた。この不思議な取り合わせにしばし見とれてしまう。


 小雨に濡れながら帰宅するとポストに古書現世目録「逍遥」78号が入っていた。

 早速目を通し、3冊注文。


 今回の目録には、おっと目を惹くものが多い。小林信彦「東京のロビンソン・クルーソー」が出ているじゃないですか。これは外市の善行堂から仕入れた物ではないですよね。それから、小林信彦の単行本未収録中編が掲載されている「LITERARY Switch」2号や洲之内徹ファンなら持っていたい『芸術新潮』の“洲之内徹 絵のある一生”特集号など。これらは持っていなかったら確実に注文していただろう。

 また、三省堂の「民間学事典 人名編・事項編」は確か坪内祐三さんが幾つかの項目を書いていたはず。その項目のためだけに買うのはちょっとどうかと思い今回はパス。


 『文學界』から上原隆「胸の中にて鳴る音あり」第18回“マンガ家・柏木ハルコ”を読む。上原さんは柏木ハルコの最初の作品「いぬ」を読んだ時の衝撃を初回のストーリーを細かく追いながら語っているが、僕も『週刊モーニング』の連載で読み、同じような衝撃を受けた。最近の柏木マンガを読んでいないので、今度チェックしてみようと思う。


 「ロンドンの味」をぱらぱら。友人に言わせると、この講談社文芸文庫の紙の匂いが一番いいらしい。そう言われるとそんな気がする。
 この文庫本はこれまでの「吉田健一著作集」や「吉田健一集成」などからももれた未収録エッセイを島内裕子さんという人が編集したもの。4部で構成されており、1が「旅と味」、2が「外国文学に関する批評と書評」、3が「翻訳書の解説やあとがき」、4が「日本文学に関するもの」であると「解説」で島内さんは述べている。
 昨日まで読んでいた「黙読の山」同様、短文が多い。表題となっている「ロンドンの味」も見開きの2ページという短さだ。たとえ短かろうと吉田健一で「ロンドンの味」とくれば、やっぱり買ってしまうな。


 今日から丸谷才一「袖のボタン」(朝日新聞社)を読み始める。初めの3つの文章を読んだ。


 今日のヴォーカルアルバムはこれ。

テンダー・ムード

テンダー・ムード