星飛雄馬がMLBを投げる日。


 やっぱり梅雨なのだなと思いながら職場へ。


 パソコンで文書を作ったり、台車で荷物を運んだりしながら一日過ごす。


 退勤して本屋へ。
 『文學界』の最新号と仕事の本2冊を抱えてレジ前に来てサイフを職場に忘れてきたことに気づく。すごすごと手にあるものを元の棚に戻す。


 職場に戻るのは面倒くさいし、家に帰れば小銭で数千円くらいは置いてあるはずだし、バスカードもあるのでサイフなしで帰ることに。


 バスに乗りながら、いつものコンビニが先月からPASMO対応になったことを思い出す。確か2000円近く入っていたはずだから、家から小銭を一抱え取ってこなくても買物ができることに気づく。


 PASMOで初めて買物をする。レジの電光掲示にはチャージしてある金額が出ないので、ちょっと不安になるが、無事レジで支払いができた。貰ったレシートにチャージされている残金が記録されている。あと700円分は買物できたわけか。


 帰宅して、鬼平犯科帳のDVDから「密偵たちの宴」を選んで観る。僕自身も気に入っており、周りの鬼平ファンにも評判のいい作品だ。これは第3シリーズの最終話になる。放送されたのは1992年だから今から15年前になるのか。吉右衛門鬼平をはじめ、梶おまさ、綿引五郎蔵、蟹江粂八、猫八彦十とみんな若いな。急ぎ働きの盗賊どもに目にもの見せてやろうと密偵たちが鬼平の目を盗んで、業突く張りの金貸し医者のもとから風のように鮮やかに大金を盗み出し、そしてまた風のように颯爽と金を門前に置いておく。しかし、鬼の平蔵はすべて見通していて、五鉄の軍鶏鍋で祝杯をあげている密偵たちの宴にふぃと顔を出し、すべてを知っていることを立ち去り際のひと言で告げた後の密偵たちのあわてぶりと夜の街を歩きながら後ろを振り向いて舌を出すお茶目な鬼平というエンディング。ジプシーキングスの「インスピレイション」を聴きながら、毎週1回こんな作品を観られた15年前の幸せを味わう。あの頃にあった自分の可能性とともに懐かしく思う。


 夕食後、「黙読の山」第3部を読む。書中一番数多く触れられた作品はヘンリー・ジェームズ「使者たち」ではないか。第3部だけでも2度登場する。単純だからこう何度も出てくるとどんどん読んでみたくなる。講談社文芸文庫にでも入らないかな。そんなことを思いながらその講談社文芸文庫に入っている「鳩の翼」と「金色の盃」の2作が積ん読のままであることを思い出す。ともにそれらを原作とする映画を観たために買ったのだった。まずは「使者たち」の映画を観る方が先か。ところで「使者たち」は既に映画化されているのかな。


 夏仕事の準備でパソコン机周りの本を整理していて5冊ほど外市用の本を発掘する。仕事の準備よりそっちの方が面白いので困るのだ。


 メジャーリーグのオールスター戦でイチローがMVP。子供のようにうれしそうなイチローをニュースで見る。やっぱり彼も“神の愛でし子”か。
 そう言えば大リーグという言い方を最近耳にしなくなった気がする。“メジャーリーグ”という言葉が一般化したためだ。このままでは近い将来「巨人の星」の星飛雄馬の魔球名“大リーグボール”の意味するところが伝わらなくなり、“メジャーリーグボール”と改名されるのではないかと心配していたら、つけていたテレビの中のNHKのアナウンサーが《大リーグ》とごく自然に言うのが聞こえた。こちらの取り越し苦労か。


 今日のヴォーカルアルバムはこれ。

ニューヨークの秋

ニューヨークの秋