不明金の使途。


 今日は仕事が暇な一日だったので、新年度の机移動に備えて引き出しの中身などを整理する。すると忘れていた封筒が出てきた。その封筒の表には自分の字で“不明金”と書いてある。確か2年ほど前のある日机の引き出しの中からひょっこり1万円が出てきたのだ。当時仕事で扱っていた現金からこぼれ落ちたものであったら困るので、封筒に入れカギのかかる引き出しにしまっておいたのだが、その後どの仕事も収支に問題なく、そのうち忙しさととりあえず机の中に物を移して整理をしたつもりになる悪い癖にまぎれて、忘れてしまっていたのだ。まさに、「忘却とは忘れ去ることなり」だな。
 すでに2年という月日が過ぎ、誰も持ち主が名乗り出ない以上自分が落としたものと判断し、サイフに戻す。行きより重くなった懐中で退勤。職場で出てきた金なので仕事関係に使おうと駅ビルの家電量販店で高速USBメモリーを購入する。


 本屋へ。

  • 『東京人』5月号

 特集が“昭和30年代、都電のゆく町”。“昭和30年代”、“都電”という気になる言葉が出てくるとやはり買ってしまう。


 帰宅して『東京人』を眺める。都電の写真がたくさん載っているのを見ているだけでうれしい。小林信彦×荒木経惟「都電は町の主役だった」という対談を読んだ。
 『en-taxi』のvol.17を手に取ると匿名コラム(相変わらず坪内さんが3本とも書いているらしい)に『サンパン』が取り上げられている。曾根博義先生の小林多喜二全集未収録小説発見(「雑誌『小説倶楽部』と小林多喜二」)
の紹介から初めて、最後は《負けるな八郎》という松本八郎さんへのエールで終わっている。先日、向井さんに貰ってすぐに曾根先生、荻原魚雷さん、向井さんの文章に目を通したのだが、続けていって欲しいリトルマガジンだという思いを強くした。


 先日TSUTAYAから借りた溝口健二「浪華悲歌」を観る。19歳の山田五十鈴が頑張っている。映画の中でしばらく文楽の舞台が映されるのだが、これがなかなか面白かった。

浪華悲歌 [DVD]

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 小西甚一「日本文学史」(講談社学術文庫)読了。


 明日は出張野外仕事。寒さが続くらしいので、着るものに悩む。