解説で買う文芸文庫。

 
 仕事を終えて本屋へ。ちくま文庫の新刊を探すがまだ置かれていない。その代わり講談社文芸文庫の新刊が並んでいたのでこちらを購入。

 講談社文芸文庫を2冊買うのはなかなか勇気がいるのだが、小林本の編集及び解説が曾根博義先生とあらば買わねばなるまい。池田本の解説・年譜は武藤康史さんか。これも楽しみ。


 夕食を食べに餃子無料券をくれる中華料理屋へ。ここの餃子無料サービスは9月までのはずだったのに、先日貰った券には有効期限が来年3月までになっている。しかし、店内には10月14日までの貼り紙が。どうなっているのだろう。どちらにしろ今日も無料で餃子をいただく。メインは中華丼。
 大学時代、ダスキンの新規開拓のバイトをしたことがあり、毎日知らない町に車で連れていかれ、地図をたよりに指定された地区の家を一軒一軒しらみつぶしに訪問する仕事だった。そのころ中華丼に凝っており、その街の中華料理屋を見つけては必ず中華丼を頼んでいたものだ。中華丼と一口で言っても店によって、タレの色が黒から半透明までさまざまあり、またタレのかたまり具合もゲル状から汁状までさまざまであった。中華丼は奥が深いのだ。


 中華丼を待つ間、小林多喜二本の曾根先生による解説を読む。多喜二の習作から活字になったものを先生がセレクトしたもの。特に表題の「老いた体操教師」は全集にも収録されていなかったものを発見したご本人。この講談社文芸文庫化はよろこんでいらっしゃるだろうなと思う。


 帰宅後、先日行った研修のレポートが明日締め切りなのでそれを書く。あれ、こんなの書いちゃったけど大丈夫かなと思いつつ、職場宛にメールで送る。


 昨日途中だった刑事コロンボ「殺人処方箋」の続きを鑑賞。後年のシリーズ化した飄々としたコロンボ調はまだ確立しておらず、犯人の手強い精神科医を追いつめるために、共犯の女性を脅し、すかし、落とし込むその姿は鬼気迫るものがある。
 以前に見たことがあるはずだが、ラストシーンは忘れていた。終わり方は見事。これでシリーズ化が決まったと言ってもいいんじゃないかな。
 12月に出る第2号(「死者の身代金」)も買ってしまいそう。個人的には「ロンドンの傘」、「別れのワイン」、「忘れられたスター」、「仮面の男」、「殺しの序曲」などが好きだな。