長太郎、失踪中。

本日も職場は休みなのだが、自分の仕事はあるので出勤。ある場所に出張しての野外仕事なのだが、昼前に雷雨に襲われる。やれやれ。


午後に仕事を終えて、歯医者へ。どうやら僕の勘違いで予約は午前中に入れてあったらしいのだが、馴染みの先生なので治療をしてもらう。もう、終わりかなと思っていたら、しっかり次回の予約をさせられた。


それから眼科に行く。気乗りしない通院を一挙に済ませてしまおうというわけ。毎回のごとく、アレルギー用の目薬を補充したいだけなのに、長い時間待たされ、おざなりの検査と質問を受けて、二千数百円の金を取られるのはなんだかばからしい。薬局に払う目薬代だけなら千円ちょっとで済むのだ。


帰宅すると、ポストに「Monthly Takamitsu-122」が届いている。早速封を開き、立ったまま目を走らせる。2月と3月の立川談春独演会の評が載っており、明日ぎわい座の独演会を聴きに行く身なので気持ちが盛り上がることこの上ない。そんな時にいきなり床がどんどんと足の裏を叩く。するとグラッときた。地震だ。目の前に並んでいる本の山が、左右にゆらゆらとその身を揺すっている。しかし、うまいこと倒れずに揺れているものだなと感心する。結局本崩落の被害はなし。
気を取り直して「Monthly Takamitsu」の編集後記を読むと「古本屋残酷物語」(平安工房)に関して《滅法読ませる》という感想が。ああ、昨日書肆アクセスで入手できなかったのがいたい。再入荷はあるのだろうか。


獅子文六「ちんちん電車」(河出文庫)読了。70歳を過ぎた筆者が、失われていきそうなちんちん電車の存在を見直そうと電車に乗って品川から浅草までの旅をする。それは過ぎ去った過去を思い出す旅でもあった。旅の終点である浅草の章を読みながら、子供時代に父親に連れて行かれた六区近くの「リスボン」という洋食屋のことを思い出す。その当時は細い袋小路の奥にあった小さな店で、そこで食べたマカロニグラタンがとても美味しかったことを覚えている。大学生の頃、浅草に行ったついでにその店を訪ねてみると表通りに移転して店も大きくなっていた。あのマカロニグラタンを食べてみたのだが、残念ながら、それは普通の味しかしなかった。


次に読む本として久世光彦「百閒先生月を踏む」を手に取る。小田原という場所を媒介として内田百閒と川崎長太郎の世界を融合させようとした作品であるそうなので、思案中であった今月の講談社文芸文庫川崎長太郎「抹香町・路傍」に決める。これなら、今座っている場所近くの文庫本の山にあったはずだと目をやってみたのだが、姿が見えず。ほんの数日前まではそこにあったはずなのに。もしかしたらと隣りの部屋を探してみると、昨日見つからなかった藤田嗣治「腕一本|巴里の横顔」がひょっこり出てくる。長太郎は相変わらず失踪中。なんだか誰かにからかわれているみたいだ。


本日読了本1。購入はなし。

【購入できる新刊数=2】

【追記】
先程、おまささんのブログで、談春独演会が今日(2日)であったことを知り、衝撃を受ける。なぜ3日と思い込んでいたのだろう。このほとんど休めないGWの唯一のイベントとして楽しみにしていたのに。明日は、伊勢佐木町周辺の古本屋を回り、にぎわい座近くにできたという古本カフェ「風信」にも寄るつもりだったのに。どうしてこうなるのだ。何を楽しみに明日を迎えよう。嗚呼。