確保だ!

今日は、職場は休みなのだが、自分の担当する野外仕事のために出勤する。
急な真夏日に戸惑いながら、スコップで土をどける。土ぼこりが汗をかいた腕や首筋にまとわりつく。


土日と終日仕事をしたので、今日は午後早くに仕事を切り上げて神保町へ。
久し振りに「さぼうる2」でナポリタンを食べる。うまい。満足しながら、最後のハム一切れをフォークで口に入れようとした時、ポロリと落ちてズボンの上に。あっ、と思った時は遅く、しっかりとケチャップ色のシミがついてしまった。


ズボンのシミを気にしながら書肆アクセスへ。今日の目的は志賀浩二「古本屋残酷物語」(平安工房)と『サンパン』の入手なのだが、残念ながら前者は売切れ。結局この2冊を買う。

  • 『サンパン』第12号
  • 『大阪人』6月号

『大阪人』は“特集・文士オダサク読本”。これまで見たことない織田作の写真がたくさん載っていてそれを見るだけでも楽しい。


東京堂で。

品切れ続きで買えなかったこの本をようやく入手。
ちんちん電車 (河出文庫)
東京堂ふくろう店で。

  • 『ぐるり』4月号

岡崎武志さんの特集号をやっと見つける。


これらの戦利品を持って喫茶ぶらじるへ。
いつものシフォンケーキとブレンドを頼み、まずは『サンパン』を手にとる。
向井透史さんの「早稲田古本屋店番日記」から目を通す。店番をしていた店を出て、早稲田大学に本を納入し、また店番に戻るというだけの出来事を2ページを使って飽かせず読ませる筆力はさすがの一言。前前号から始まった山本善行さんの「洲之内徹ノオト」だが、楽しみに前号を買ったところが載っておらず、初回だけで山本さんがいきなり筆を折ってしまったのかと心配したのだが、今号は無事に掲載されている。隔号連載ということなのだろうか。「気まぐれ美術館」シリーズで取り上げられた小野元衛という画家についてその作品集をからめて紹介している。この人が染色家の志村ふくみさんのお兄さんであることを知った。
その後、『ぐるり』の田川律氏による岡崎武志さんのインタビューを読む。関西出身のご両人によるなごやかな楽しい対談だ。場所表記が“高円寺「トリアノン」で”となっているのだが、写真はどうみても「古本酒場 コクテイル」にしか見えない。対談は別の場所でやり、写真だけここで撮ったのかもしれないな。


ぶらじるを出て、いつものコースを回り、日本特価書籍へ。先程「ちんちん電車」を買ってしまったため、買える新刊はあと1冊だけになってしまった。この店を前にしてそれは酷というものだ。しかし、己で決めたこと故、誰に文句を言うこともできない。
さんざん迷い、目移りした挙げ句にこのセレクトとなる。

前者は、2004年にロゴスギャラリーで行われた“新世紀書店”のドキュメントと北尾トロさんが行った英国の古本村ヘイ・オン・ワイ紀行をミックスさせた本。“新世紀書店”には僕も行ったので興味深いし、ヘイ・オン・ワイは是非行ってみたい場所のため、これを最後の新刊に選ぶ。
後者は“特集・はじめての武満徹”。特に武満氏に興味があるわけではないのだが、中の写真やポスターや和田誠氏の絵に惹かれて購入。
新世紀書店--自分でつくる本屋のカタチ


帰りは車内で「雑誌記者」を読み継ぐ。池島氏が坂口安吾を敬愛しており、「安吾巷談」の名付け親でもあることを知る。青山光二氏が回想するような大言壮語して周囲を困らせる存在としての安吾とは正反対の姿を伝えている。これだから人間は面白い。


電車を降りて、地元のTSUTAYAで「パッチギ!」と「ミリオンダラー・ベイビー」を借りる。


帰宅後、「雑誌記者」読了。5月の中公文庫はすでに初日にクリア。これで買える本も1冊確保だ。
今月の講談社文芸文庫をどうしようか思案中。藤田嗣治展をやっているので藤田嗣治「腕一本|巴里の横顔」にしようかとも思っているのだが、先日来積ん読本が見つからないのだ。どこに行ったのだろう。前回目撃した場所には何故か姿は見えず。


夜、湯舟に薄くお湯をはり、残っていたアロマキャンドルに火をつけ、圓生「樟脳玉」を流しながら半身浴。今日の労働で被った土ぼこりをしっかり落とす。風呂上がりに「ちんちん電車」を少し読む。面白い。


【購入できる新刊数=1】