幸せな結末。

しっかり睡眠をとって起きる。
録画しておいた「タイガー&ドラゴン」の茶の湯篇を観る。ジャンプ亭ジャンプ荒川良々)サイコー。


湯船につかって落語を聴く。立川談春「来年3月15日」から「紺屋高尾」を選ぶ。昨年の12月2日の高座だけにマクラで姉歯物件のくすぐりがあるのだが、10年後には分からなくなっているかもしれないな、この部分。「紺屋高尾」を聴くのは初めて(ほんとに落語ファンなのだろうか、自分は)。吉原三千人の遊女のトップに立つ高尾太夫を一途に想い続けた紺屋の職人が太夫を嫁にもらうというハッピーエンドが眩しい噺。サゲの手前で「いい噺だなあ、ほんと」と談春師匠自らコメントを挿まないと落ち着かないくらいの目出度さ。もちろん、こんなこと現実にはありはしないと己の過去を振り返りながらも、いい気分になって風呂から上がる。
立川談春/来年3月15日

今日は、出かける予定だったのだが、花粉症の大敵の強風と日本が準決勝進出をしたWBCがあるため、家に籠ることにした。試合は重苦しい投手戦。日本にミスが目立ち、負けゲームのニオイが漂ってきたところに福留の2ランが飛び出す。個人的には宮本のヒットに心安らぐもの感じる。
6対0で快勝。ここまで負けなしの韓国は唯一の1敗が命取りになってしまった。決勝は日本対キューバアメリカのスタジアムは埋まるのだろうか。

久世光彦「美の死」(ちくま文庫)を読み出す。久世さんの死を知っているせいもあるのだろうが、文中に“死”という言葉が頻繁に出てくる気がする。自分の死期を悟っていたというようなものではなく、「マイ・ラスト・ソング」という著作もある久世さんはいつも“死”というものを頭の片隅に置いて生活していたのだろう。「幸田文全集」に寄せた文章で、露伴森繁久彌)、文(田中裕子)という久世演出ドラマの存在を知る。レンタルでもして観てみたい。

今日のピアノトリオ。

ザ・シーン・チェンジズ

ザ・シーン・チェンジズ

ホレス・シルヴァー・トリオ&アート・ブレイキー、サブー

ホレス・シルヴァー・トリオ&アート・ブレイキー、サブー

テンダー・フィーリンズ

テンダー・フィーリンズ

休日なのでアルバムの数も多い。すべて寺島本掲載盤。
パウエルの1曲目「クレオパトラの夢」は超有名曲だが、今回初めて最初から最後までパウエルがピアノを弾き続けであることに気付く。4分23秒の間休むことなく、彼はピアノからメロディを紡ぎ出し、休もうとしない。狂気とともに語られることの多いパウエルの才能と狂気が不可分であるさまを垣間見た感じ。
アノトリオで聴くシルバーというのはちょっとピンとこない。やはりスモールコンボのリーダーとしての彼があまりにも印象に強いからか。1952年の若き日の演奏は、あまりにパウエルライクなので驚く。この時代、いかにパウエルのように弾くことが重要であったのかを思い知らされた。
ピアソンのピアノというのは、ジャケットでの服装が連想させるような春先のセーターのようにほんわかと暖かい印象。ブルーノートというレーベルがイメージさせるような硬さや鋭さとは縁のない淡白な時間が過ぎて行く。