午後遅くまで仕事。今日で何とか手書きの仕事に一区切りがつく。
仕事をしながら無性にブックオフに行きたくなる。仕事場を出て最寄の店まで歩き出すと、空から雨粒が。あわててコンビニで傘を買う。
久しぶりの「ブ」で1時間以上過ごす。
105円棚から。
- 安野光雅「読書画録」(講談社文庫)
- 吉田健一「ヨオロッパの人間」(講談社文芸文庫)
- 水村美苗「私小説」(新潮文庫)
- 山口瞳「男性自身 生き残り」(新潮文庫)
- 鈴木和年「ある映画人の定年」(朝日文庫)
- 金子光晴「金花黒薔薇艸紙」(集英社)
- 成瀬露子「帰る」(成瀬書房)
半額棚から。
安野本は読書エッセイと本の舞台となった場所のカラースケッチがセットになった画文集。
吉田本は講談社文芸文庫の“現代日本のエッセイ”の1冊。このシリーズを105円で買えただけでも来た甲斐があるというものだ。
水村本は先日友人にあげてしまったための補充。
山口本は男性自身シリーズの未所持の1冊。
鈴木本は松竹の営業マンを35年続けた人の自伝的エッセイ。映画関係者の名前が沢山出てくるのがいい。
金子本は小学館文庫で持っているのだが、作者の絵を多用した横尾忠則装幀に惹かれた。
成瀬本は豪華限定本製作の成瀬書房の奥さんの手になるエッセイ集。後半の「駄目主婦日日」という出版社25年の裏話が面白そう。
「値段の明治大正昭和風俗史」は日垣隆「使えるレファ本150選」のおススメ本。実は上下巻とも持っていたはずなのだが、下巻が見当たらなくなっているので、帯付き美本のセットを購入。さまざまのモノの値段の変遷を記録してくれるだけではなく、それに関わるエッセイを多彩な執筆者が書いているのも魅力。例えば、「ラムネ」(野田宇太郎)、「寝台車料金」(松本零士)、「都電乗車賃」(滝田ゆう)、「定期旅客船の運賃」(柳原良平)、「劇場観覧料」(戸板康二)、「自転車」(田中小実昌)、「ゆかた」(岡部伊都子)、「炭」(小沢昭一)、「野球ボール」(藤沢桓夫)、「総合雑誌」(杉森久英)、「放送受信料」(三國一朗)、「下宿料金」(小島信夫)、「理髪料金」(永井龍男)、「質屋の利息」(川崎長太郎)などなど。このエッセイ・アンソロジーという側面からも貴重な本。
「圓生 好色ばなし」は、最近集めている朝日文庫の圓生本の1冊。
ブックオフを出ると雨は上がっていた。本と傘が増えて手がふさがる。地元駅まで戻り、駅前でつけ麺を食べてから帰宅。
今日買ってきた本から成瀬露子「帰る」収録の「駄目主婦日日」を読む。三笠書房に勤めていたご夫婦が始めた豪華限定本の出版社。本郷の木賃アパートの一室で1冊35万円もする豪華本を作っているというギャップがなんともおかしい。このご夫婦の馴れ初めの話が出てきたり、「一人書房」という著作を持つ露子さんが、出久根達郎「佃島ふたり書房」の直木賞受賞を聞き、本の題名を盗まれた気持ちになる顛末などが、テンポのいい文章で書かれている。「一人書房」も読んでみたい。
今日のピアノトリオ。
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前者は寺島本掲載、後者は未掲載。