引き出しの中の封筒。

職場で机の引き出しを整理していると、封を切った封筒に混じって未開封のものがあるのを見つける。以前、僕がまとめ役となってあるグループのTシャツをつくり、代金も立て替えたことがあった。その後代金の1800円を集め、それぞれから渡された封筒を開封し、中の代金を徴収したつもりだったのだが、こんなところに残っていようとは、しめしめ。
退勤後、その1800円を持って本屋へ行く。文春新書の新刊が並んでいる。そこから2冊。

それぞれ面白そうだ。2冊で1638円なり。
桂枝雀「兵庫船」を聴きながら帰宅。
週刊文春』に目を通す。小林信彦「本音を申せば」には、昨年暮れに出演した爆笑問題のテレビ番組でカットされた部分の会話がちょっとだけ再現されている。
坪内祐三文庫本を狙え!」では、安藤鶴夫「寄席はるあき」を取り上げている。安藤氏の独特の口語体をアンツル節と言いつつ、次のように書く。
《そのアンツル節は、この作品集に収められた「ラジオのための五篇」の特に「志ん生復活」でたっぷりと味わうことができる。》
それから、「志ん生復活」の引用が始まるのだが、それを読んで「あッ」と思った。これって、昨日風呂で聴いた「志ん生復活」そのものではないか。そうか、あのCDはアンツルさんが脚本を書いたラジオ放送そのものであったのだ。聴きながら、どこかで読んだような気のする味わいのある文章(語り)だなあと思っていたのだが、アンツルさんと知って納得だ。積ん読の山から「寄席はるあき」(河出文庫)を持ってくる。何とも言えずいい味を出しているモノクロ写真とともに活字の「志ん生復活」を眺める。
寄席はるあき (河出文庫)

夜、絲山秋子沖で待つ」を読んだ。芥川賞受賞作を読むなんて何年ぶりだろうか。