バスは東から。

今日は午前中を野外で働き、午後からは机にしがみついて明日締め切りの仕事をやる。なんとかメドがたったのでホッとした。しかし、職場の広報誌の方は、まだ原稿が揃わず、印刷屋からの催促の電話が来るがなんとが言いくるめて明日まで待ってもらうことに。
退勤後、地元のサブカル系古本屋に寄ると、100円コーナーに『サライ』と『MOE』がどさっと並んでいたのでその中から2冊選ぶ。

  • サライ』1996年10月3日号
  • 『MOE』1999年2月号

前者は、田中小実昌さんのインタビューが巻頭を飾っている。居酒屋のカウンターに座るコミさん、バスの一番前の席にちょこんと座るコミさん、フランス座の楽屋で踊り子さんの前にアグラをかいて座るコミさんといった写真が載っている。インタビュー内容のほとんどはコミさんがなぜバスに乗るのかという話。路線バスを乗り継いで20年かけて鹿児島の国分まで行ったそうだ。もちろん、途中で東京に帰り、後日電車でその場所まで行き、またそこからバスで西に向かうのだ。「どうして、西に」という問いに「バスが東から来たからですよ」と答えているのがいいですね。
『MOE』はディック・ブルーナ特集。ブルーナのデザインについてグラフィクデザイナーの福田繁雄氏が解説している。福田さんなんて懐かしいな。学生の頃、新聞を開くと三田誠広氏の「龍をみたか」という小説が連載されており、その挿絵を福田さんが書いていたため、毎日のようにそのシンプルな線によるデザインとエッシャーのような視覚的な遊び心を眺めたものだ(小説の方はほとんど読まなかったが)。
帰宅してブログ散歩。「悪漢と密偵」経由で1月の文庫新刊案内(本やタウン)が更新されていることを知る。特にチェックしたのはこの2冊。

偶然2冊とも落語本だ。
密偵おまさの市中視回り日録」やokamachiさんのコメント等で立川談春独演会が横浜にぎわい座で行われたことを知る。先月、この独演会のチケットをとろうと思い、いろいろ調べてみたのだが、独演会が行われることさえ確認できずにあきらめてしまった。どうなっているのだろうか。なんだか悔しいのでチケットぴあでまだ券の残っていた2月7日の独演会を予約する。1月にも横浜にぎわい座で独演会があるようだが、こちらはチケットぴあのリストには載っていない。すでにソールドアウトということなのだろうか。できればそちらにも行きたいのだが。悔しさついでに、アマゾンのギフト券を使い、談春さんのCDも注文する。okamachiさんいわく《談志、志ん朝よりよかったとおもわせるでき》だったという「文七元結」の片鱗をこのCDでまずは探ってみようと思う。

立川談春“20年目の収穫祭”

立川談春“20年目の収穫祭”