寒いのは外ばかりじゃない。

寒い日が続いている。
変に忙しいのも相変わらず。
コクテイル、カフェひなぎく、書店員ナイトなど気になるイベントはあるが、足を向ける余裕がない。
今日は、いよいよ余裕のなくなった広報誌の編集に没頭する。入ってくる原稿をワープロソフトで打ったり、校正したり、記事の文章を書いたりして、出来上がったものをどんどんとメールで印刷所へ送る。僕にこの仕事をさせている上司が書くはずの文章だけを残してほぼ入稿を完了させる。上司は体調を崩して早退してしまった。明日原稿が入らなければ本当にまずいのだが。印刷所のオジさんの声も訴えるような響きを含んでいた。人は他人の忙しさには寛容だが、自分の忙しさは許せないもののようだ。
職場を出るとなんだかとんでもなく寒い。バスを降りると逃げ込むように本屋へ。気になる新刊がいろいろ出ている。例えばこのような。

しかし、サイフには夕食を食べる分の金額しか入っていない。今日職場で予定外のツケの取り立てがあり、所持金のほとんどが持っていかれてしまったのだ。といっても飲み屋のツケではなく、本屋のツケ。岩波の「新日本古典文学大系明治篇」をこの店からとっているためだ。ここに頼むと1割引で手に入るのとツケがきくので気安く利用してしまうのだが、取り立てにくるタイミングが悪く(ボーナスが出たその日に来たりする。銀行振り込みなのにいきなり来られても手元にあるわけない。)、今日も予告なしなので、サイフが底をついたというわけ。
お陰で何も買えずに店を後にする。あったかいラーメンでもと店を覗くとみな同じ考えとみえて満席。それならとつけ麺の店にいくとすいていた。つけ麺では体が温まらないものな。でも、美味しいのでよしとする。
帰宅して、部屋の寒さにまた辟易する。
今日聴いたアルバム。

イースタリー・ウィンズ

イースタリー・ウィンズ

昨日「ごぶ・ゆるね」(id:antsuru)を読んでいたら、村上春樹氏がやっていたジャズ喫茶「ピーターキャット」で繰り返しかかっていたアルバムとしてこれが紹介されていた。それを思い出してブルーノートのCDを入れてある棚から探して聴いてみた。西海岸から東海岸へと仕事の場所を移そうというピアニストのジャック・ウィルソンが東海岸を代表するホーン奏者であるリー・モーガンジャッキー・マクリーンをフロントに据えて吹き込んだアルバム。1967年あたりになるとブルーノートのアルバムもかなりユルんでくるのだが、このアルバムは端正さが損なわれていない印象を受ける。これはウエストコーストジャズを身につけたウィルソンのアレンジに負うものなのだろうが、僕としてはモーガンとマクリーンが快調に飛ばしてくれればそれで満足。マクリーンはともかくモーガンは快調だ。3曲目のウィルソンのバラードプレイもいい。控えめで出しゃばらない。村上氏好みかな。