佐野繁次郎本を求めて「ブ」2軒。

休日出勤であるが、仕事が早めに終わったので職場に近いブックオフに行く。今日の狙いは五木寛之源氏鶏太佐野繁次郎装幀文庫本の入手にある。
途中、中古DVD屋に寄ると10%引きのセール中。マイケル・ウインターボトム監督、トマス・ハーディ原作、ケイト・ウィンスレット主演「日陰のふたり」(原題JUDE)を購入。
ブックオフで4冊。

安岡本は、表紙に小出楢重の絵が使われ、造本・装幀は田村義也氏。買ってから気付いたが、山口瞳さんは鎌倉アカデミア出身だ。偶然の取り合わせ。
昼を食べ損ねていたので、「ブ」近くのモスバーガーに入る。モスは好きなのだが、家の近所にはないのでたまにしか来ない。そのため来る度に新商品が出ており、いつも新商品を頼むことになってしまう。“パオスブタ”という黒酢酢豚風バーガーである。まずまず。
家に帰り、先日読み残してあった庄野潤三「うさぎのミミリー」を読了。個人的には元巨人の藤城選手が出てくるのが懐かしい。鳴り物入りのドラフト1位指名で入団したものの思ったような活躍ができず、たしか阪急かどこかにトレードされてしまったはず。まさか、庄野さんの小説の中で再会しようとは。作中では巨人の投手コーチとなっているが、今もどこかでコーチを続けているのだろうか。
先ほど買ってきた「幕が下りてから」には付録で作品評をまとめた冊子が付いていた。松原新一氏の評で、この作品の主人公が〈やがて「夕べの雲」の大浦みたいになっていくのでは、ちょっと困るのではないか、とだけいっておきたい〉と唐突に庄野さんの作品に言及しているのでびっくり。たぶん、掲載されていない部分で「夕べの雲」についても触れていたのであろう。いったいどのような評価が書かれていたのか気になる。
家を出て、今度は家の近くのブックオフへ。さっきの店では本日の狙いの本がなかったので、河岸をかえて再度チャレンジ。しかし、また見つからず、代わりに6冊。

「気まぐれ美術館」は、単行本も文庫もすでに持っているのだが、背が白(僕の持っているのは背が黄土色)であったのと、あまりブックオフで見ないのでダブリを承知で購入。
「笑いの源泉」には、獅子文六「無頼の英霊」、小沼丹「カンチク先生」、開高健ユーモレスク」、などが収録されている。
「わたしの詩歌」は46人の詩歌に関する短いエッセイを集める。庄野潤三高島俊男久世光彦矢野誠一鹿島茂堀江敏幸川本三郎内田樹南伸坊米原万里井上章一岸田秀柳瀬尚紀吉本隆明白川静などの名前に惹かれて購入。矢野誠一さんは志ん生の「大津絵」を取り上げる。以前にも読んだことのあるエピソードだが、山口瞳さん一人相手に歌い直そうとして意を果たせない志ん生の姿にジンとくる。
今日初めて、ヤフオクかアマゾンマーケットプレイス用のセドリをしていると思われる人を間近で見る。いきなり下の棚の文庫本の上にドカッと本が入っていて重そうな黄色い籠を置いたと思ったら、携帯でアマゾンでの最低価格等を確認している様子。若いお兄ちゃんで、見た目オタク系。セドリもヤフオクも結構(僕だっていつやり始めるかわからないし)なのだが、この人には本に対する愛情がまったく感じられない。もちろん、商売なのだがら、利益優先となるのは仕方ない部分もあるが、こんなふうにしか商品を扱えないような人から本を買いたくはないと思う。ちょうどレジでも一緒になり、領収書の発行を求めていた。その態度も妙にセカセカしていてなんだが気にかかってしまう。いまや、「ブ」では当たり前の光景なのだろうか。
kanetakuさんやkuzanさんが入手に成功している佐野繁次郎装幀本の確保に本日は失敗。明日以降の捲土重来を期したい。