末次/150。


 今日は都内に出張。


 日ごろ乗らない混んだ通勤電車に揺られていく。車中は山城新伍「おこりんぼ さびしんぼ」を読みながら。


 気の張る仕事を終えて午後3時前に解放される。


 仕事は終わった。みちくさ市の売り上げがある。神保町が呼んでいる。


 久しぶりに東京堂書店へ。サイン本棚から2冊。

 「佐野繁次郎装幀集成」のサイン本は150冊限定らしい。置かれていた全サイン本に150分のいくつという数字が入っている。はしたないと思いながらすべての本をチェックして好きな数字を選ぶ。買ったのは38/150の1冊。38は最初にファンになったプロ野球選手である巨人の末次選手の背番号だった。


 3階に上がるが、畠中さんの姿は見えず。ブックオンの中嶋さんが出された「アホアホ本」を探したが見つけられなかった。

 続いて三省堂の4階へ。こちらの地方出版コーナーもチェックするが「アホアホ本」は見当たらない。東京にはないのだろうか。それとも売り切れか。


 いつものコースを覗きながら田村書店店頭へ。100円文庫の箱を漁ってみるとアタリがあった。

 「ザ・フィフティーズ」は全3冊なので第3部を探したがなかった。たぶん揃いでなかったから100円箱行きになったのかも。


 伯剌西爾ブレンドとシフォンケーキを味わいながら東京堂で貰ってきた『図書』12月号と『神保町が好きだ!』第2号に目を通す。岩波文庫の1月刊行予定にイーヴリン・ウォー/小野寺健訳「回想のブライズヘッド(上)」が。ずいぶん前に刊行が告知されていたがやっと出るのか。また岩波新書のノーマ・フィールド「小林多喜二」も気になる。


 帰りの電車でも山城本を読み続け、帰宅後すぐに読了。若山富三郎勝新太郎兄弟を活写して飽きさせない面白い本であった。この二人の真性の役者を描きながら、それが同時に山城新伍という役者としてはものが見えすぎ、頭が回りすぎた不思議な才能を持った人物の面白さを読者に感じさせてくれる本になっている。


 先日買った立川志の輔「メルシーひな祭り」を視聴。千葉県の何の変哲もない商店街にフランス大使だか特使だかの奥さんと子供がやってくる。雑誌で見たひな人形の職人の仕事場を訪ねてきたのだ。ところがその職人が人形の首だけを作る首師であったから問題が起こる。そこに並んでいるのは人形の首だけで、胴体とくっついた人形は一つもないからだ。これでは奥様と子供は喜ばないと外務省の役人はおろおろするばかり、母子を喜ばせてあげたい商店会の会長は思い切った案を実施する。ここまでを聴きながらこの状況をどういうアイデアで乗り切るのかと楽しみにしていると、なるほどそう来たかという展開に。確かにこれは涙がこみ上げてくる展開だな。オチになる奥さんの一言は、ジョークなのか真剣なのかわからないところがまた余韻を残す。


 ああ、明後日からの海外出張の準備をしなければと思う。とりあえず、持っていく予定のポロシャツの洗濯をした。