本買いのギア

岡崎さんのブログ「okatakeの日記」を読んでいたら、ブログ化のきっかけを作ったとして晩鮭亭の名を挙げてくれている。いちファンの勝手な思いに答えていただき、岡崎さん、ありがとうございました。
先日の京都旅行以来、本買いのギアが入りっぱなしの状態で、今日も地元の古本屋で色々と買ってしまう。

1番目は宮武外骨神代種亮成島柳北永井荷風などについての文章を含む随筆集。2番目は造本や装幀に関する文章や対談を集めた本。対談者の一人である栃折久美子さんの装幀もいい。以上の2冊はサブカル系の店に置いてあったためその異質さから目立っていてつい手に取ってしまった。これらの本は普通の店にあるときよりも、ジャンルの違う店に場違いな感じである方が買ってしまいやすい気がする。3番目と4番目は違う店の均一棚から。嵐山本は以前から買おうと思っていたもの。帯付きで200円。武田本は、開高健佐々木基一による武田泰淳に対するインタビューと小潟昭夫、河上徹太郎との対談を収録している。100円。
新刊書店でも2冊。

  • 片岡義男「音楽を聴く2」(東京書籍)
  • 『考える人』2006年春号

片岡本は昨日まで無かったのに今日棚に入っていた。新刊かと思い奥付を見ると2001年の初版。なぜ今頃急にここに現れたのか不思議に思う。本買いのギアが入っている状態の時は、これは自分に買われるためにここに現れたのだとしか思えなくなってしまう。それに“映画。グレン・ミラー。そして神保町の頃”という副題、ブックデザイン平野甲賀、書いているのが片岡義男とくれば、買わない訳いかないじゃないですか。
『考える人』の特集は“クラシックと本さえあれば”。昨年、永江朗さんの「恥ずかしい読書」(ポプラ社)を読んで、永江さんがある年を“モーツアルト年”と定め、その年はモーツアルトを重点的に聴いたという話を読み、昨年暮れぐらいから、廉価版のCDを中心にモーツアルトを集めて聴き始めている。それと同時期にゲーム脳を研究している大学の教授と話をする機会があり、ゲームやバソコンを長時間した後は、モーツアルト(リラックスのため)かベートーヴェン(活性化のため)がいいと聞いたのもクラシックを聴くきっかけとなった。そんな状態なので、この特集には興味があり、作家や評論家へのアンケート「わたしのベスト・クラシックCD」は誰が何を聴いているのかをチェックしながら面白く読んだ。
毎回誰を取り上げるのか楽しみにしている坪内祐三さんの連載「考える人」は、吉田健一が登場。いつもながら、坪内さんの手によって魅力的な書き手たちがいっそう鮮やかな光を放つようだ。この連載を読んだ後必ずと言っていいほど、その書き手の本を買ってしまうことになる。きっとそう遠くないうちに吉田健一本を買ってしまうだろう。もうすでに、今日行った古本屋の棚にあった本の姿が頭に浮かんでしまっている。坪内さんは誠に巧みな本の案内人である。
音楽を聴く2 映画。グレンミラー。そして神保町の頃 片岡義男