今日の音楽

『考える人』を読んだため、珍しくクラシックばかりを聴く。

1枚目は映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」を観た後で彼女の演奏が聴いてみたくて購入。江川紹子さんがベストCDの1枚に挙げていた。
2枚目は村上春樹海辺のカフカ」の中で運転手の星野君がクラシックに目覚めることになる1枚として登場していたため、興味を持って入手。もう1枚カザルス・トリオのものも持っている。残念ながら星野君のようにクラシック開眼とはいっていないが。
3枚目は、仕事でお茶の水のカザルスホールを視察したことがあり、そこで初めてカザルスの存在を知り、とりあえず一度CDを聴いてみようと買ったもの。なぜ、バッハ無伴奏チェロにしたかというと、映画「真夏の夜のジャズ」で、昼間カーテンを閉めた暗い室内で上半身裸のジャズミュージシャンが、カーテンの隙間から差し込む陽の光にタバコの紫煙を漂わせながら、この曲を弾くシーンが大好きだったからだ。このアルバムは加藤典洋永江朗両氏がベストCDにリストアップしていた。
こうして並べてみると、純粋にクラシックを聴いていないことが分かる。なにかまだクラシックを教養と見なしている自分に気付く。以前に池ノ上にあるクラシックのレコードを流している古本カフェ十二月文庫の田之上さんに、「クラシックのことは何も知らないので」と言ったら、「曲を聴くのに何の知識も必要ないですよ。まず聴いてみることが大切です」という言葉が返って来たことを思い出す。ジャズを教養だなどと考えている人がいたら、困ったもんだなと思うくせに、クラシックに関しては同じ穴の狢になってしまっているようだ。そう言えば、十二月文庫でかかっているクラシックは作曲者も曲名も演奏者も分からないが、いいなあと思える曲が数多い。今度、あの店に行ったら、流れているレコードを確認して買ってみることにしよう。
エルガー&ディーリアス:チェロ協奏曲集   ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲第7番  バッハ:無伴奏チェロ組曲(全曲)