神保町というブルペン。


 今日は一応フリーとなっているのでしっかり寝てから起きる。一応と言ったのは午後2時までに職場に行き、一件だけ片付けなければならない仕事があるからだ。


 泊まり込みではシャワーだけだったのでゆっくりと湯船につかる。浴室に流れるBEGINを聴きながらぼんやりと加山雄三が歌うBEGINのカバーアルバムがあったら面白いなどと考える。


 洗濯をしてから昼過ぎに家を出る。途中マクドナルドに寄ってアンコール販売をしているテキサスバーガーを買ってから職場へ。2時に書類を持って来る予定の客が来れないことが分かり、出勤した意味が一挙になくなる。それではここにいる意味はないとさっさと退勤して神保町へ向かう電車に乗る。


 車中では田草川弘黒澤明vs.ハリウッド」(文春文庫)を読む。先日橋本忍「複眼の映像」(文春文庫)を読んだら面白かったので黒澤明リレーをしているのだ。


 神保町へ到着。昨日まで3泊4日の軟禁状態にあった反動で書籍に対する購買欲という肩が軽くてビュンビュンうなっているのを感じる。前日にキャッチャーを立たせたキャッチボール程度に文庫と小型の単行本を1冊ずつ買ったのだが、今日はキャッチャーを座らせて8割から9割の力で速球をバンバン投げ込むつもり。


 やはり、足は畠中さんがいる東京堂ふくろう店に向かう。働く畠中さんを視野にとらえながら本と雑誌を選ぶ。

  • 谷口ジロー「歩くひとPLUS」(光文社)
  • 『Sanpo magazine』第4号

光文社コミック叢書SIGNAL 『 歩くひと PLUS 』 THE DIRECTOR’S CUT EDITION

光文社コミック叢書SIGNAL 『 歩くひと PLUS 』 THE DIRECTOR’S CUT EDITION

 この他に前から気になっていた蟲文庫トートバッグ(大)を買う。僕はこの蟲文庫トートのファンでこれまでに小は2つ入手しているのだが、大は初めて。横広タイプで肩から下げられるように持ち手が長い。中には文庫が入るポケットと携帯電話が入るポケットがついているすぐれもの。まだ大1個と小2個が店頭に残っていた。


 現場責任者として畠中さんはいろいろ大変そう。みんな応援してますからがんばってください。


 次に三省堂の4階へ上がる。

  • 『フリースタイル』11号

 Oさんはいたが忙しそうだったので挨拶はせずにエスカレーターへ。


 通りを渡りヴィクトリアに寄り道してセール品の仕事着を買い、先ほどのトートに入れて古書店街へ戻る。


 いつもの土曜日より人が多いなと思ったら“春の古本まつり”開催中であった。


 タテキンをおじさんの肩越しに覗き込むと湯川書房という文字が見えたので手に取る。


 これが林哲夫さんや山本善行さんのブログで話題の湯川書房本かと思う。造本もシンプルだが芯が通っている感じ。小沢書店本に通じる雰囲気がある。400円。


 日本特価書籍まで歩き、欲しかった文庫を2冊。

圓生の落語3 真景累ヶ淵 (河出文庫)

圓生の落語3 真景累ヶ淵 (河出文庫)

少年キム (ちくま文庫)

少年キム (ちくま文庫)

 その昔、ロンドンの倫敦漱石記念館を訪れたとき館長の恒松さんから漱石が「吾輩は猫である」の種本のひとつにしたのではないかと考えられる『ウインザー・マガジン』という漱石の英国留学中に出た雑誌に載った短編小説を紹介されたのだが、その作者がキプリングだった。以来ずうっと気になってはいても作品はまったく読んだことがなかった。インドを舞台にした冒険小説の傑作ということなのでこの機会に読んでみようと思う。
 ここで買おうと思っていた本がなかったので岩波ブックセンターに戻る。

榛地和装本 終篇

榛地和装本 終篇

 ゆまに書房の編集者であった著者が“榛地和”名義で装幀した本の書影と編集者として接した作家たちとの思い出を中心とした随筆をまとめた本。この本を編集したのはウエッジ文庫をこの世に送り出した服部滋さん。ウエッジ文庫は休刊となってしまったが、単行本でこのような本が出るとはうれしい。難しいとは思うのだがこの路線の本を今後も出してほしいなウエッジには。


 ぶらじるで一休み。岩波ブックセンターでもらってきた『図書』4月号で5月刊行予定の本をチェックすると秋庭太郎「考証 永井荷風」が現代文庫から上下2冊で出るらしい。これは買わねば。


 地元に戻り、つけ麺を食べてからTSUTAYAくるりクレイジーケンバンドのアルバムを借りて帰る。