隣りが引っ越すと清流出版本が欲しくなる。


 
 仕事を終えて帰宅。


 隣りが引っ越しの最中のため落ち着かず、しばらくどこかへ出かけようと外へ。結局行くのはブックオフ


 この店ではいつも文庫狙い。今日もそれなりにいい文庫が手に入る。気をよくして雑誌コーナーを覗く。

文学界 2009年 04月号 [雑誌]

文学界 2009年 04月号 [雑誌]

 『ノーサイド』は“鬼平犯科帳特集号”だ。この雑誌なら迷いなく買う。それから『文學界』。なぜかこの店は最新号がすぐに105円で並ぶのだ。最近『文學界』を買わなくなった一因はここにある。


 帰宅して『文學界』を手に取る。倉橋由美子特集から豊田健次「『パルタイ』誕生」を読む。あの黒地に赤の文字が鮮やかな単行本の装幀が車谷弘氏(「銀座の柳」の著者)によるものであることを知る。そういえば、その装幀に惹かれて以前ブックオフで「パルタイ」を買ったことを思い出す。


 続いて長嶋有×山崎ナオコーラ「小説から『私』は消せるか」という対談を読む。長嶋氏の最新長編「ねたあとに」と山崎氏の最新短編集「手」をめぐる話。「ねたあとに」は先日聴いた「コラムの花道」で豊崎社長が面白いと力説していたので気になっていた。昨日行った神保町の悠久堂書店で見つけ、買おうかどうか迷ったばかり(結局買わなかった)。この作品は朝日新聞に連載され、その挿絵を高野文子さんが書いていたというのも興味をそそる。


 
 書評のページへ。阿部公彦さんによる古井由吉漱石漢詩を読む」(岩波書店)と紅野謙介先生による武田泰淳武田泰淳の映画バラエティ・ブック タデ食う虫と作家の眼」(清流出版)の書評を読んだ。昨日買った本の書評を阿部さんで読めるというのはタイムリーだし、うれしい。一読後、買ったことが喜ばしく感じられる。書評はこうでなくちゃ。武田本は先日買った虫明本と同じ高崎俊夫氏による編集本。紅野先生もちゃんとそのことに触れている。このほかにも高崎氏の手になる菊池寛の映画エッセイ集も出ている。服部氏によるウエッジ文庫とともに高崎氏編集による清流出版本は見逃せない。

タデ食う虫と作家の眼―武田泰淳の映画バラエティ・ブック

タデ食う虫と作家の眼―武田泰淳の映画バラエティ・ブック

昭和モダニズムを牽引した男―菊池寛の文芸・演劇・映画エッセイ集

昭和モダニズムを牽引した男―菊池寛の文芸・演劇・映画エッセイ集

女の足指と電話機―回想の女優たち

女の足指と電話機―回想の女優たち


 その後は塩山芳明「出版奈落の断末魔 エロ漫画の黄金時代」(アストラ)を読む。どうやら三省堂のサイン本は今日追加されたらしい。