なければ本を取りにいく。

 今年の仕事は28日に終わった。

 29日は片道2時間近くをかけて両親の墓参りに行った。車中は、中野翠「本日、東京ラプソディ」(毎日新聞出版)を読む。年末の風物詩本。年々、『サンデー毎日』連載分が少なくなっているような気がするのが寂しい。

 

 

本日、東京ラプソディ

 

 昨日やっと大掃除にかかったが、昼までになんとか外回りを終わらせただけ。昼過ぎに家を出て、先日スマートフォンの機種変更をしたため、下取り対象の前機種を持ってauの営業所へ行く。今日が提出期限なのだ。先日機種変更に訪れた時は混雑していたこの場所はスタッフも2人だけ、客も僕を含めて2人だけ。もう1人の客は別の営業所で契約した内容への苦情を繰り返しスタッフに語り続ける。僕が店に入って出るまでそれは続いていた。さして遠くはない契約をした営業所に行かず、なぜここに来て苦情を申し立てているのかは最後まで疑問だった。
 返すものを返したので、近くのそば屋で一日早い年越しそばを食べる。
 本屋へ。年末年始に読む本を求める人が多いのかレジ前には長蛇の列。
  -リュウジ「リュウジの料理質問箱」(河出新書
  -山本文緒無人島のふたり」(新潮文庫
     -津野海太郎「生きるための読書」(新潮社)
 の3冊を購入。

 

リュウジの料理質問箱 (河出新書 077)

無人島のふたり―120日以上生きなくちゃ日記―(新潮文庫)

生きるための読書

 


 リュウジ本は、この人のYouTube動画のレシピが自分の作る料理を支えてくれているので、せめて本を買って感謝の意を表しておく。
 「無人島のふたり」は単行本を持っているのだが、『本の雑誌別冊 文庫王国』でこの文庫の角田光代解説が必読と書かれていたので入手。58歳で病没した作者の余命の日々の日記だ。
 津野本は86歳の作者による読書エッセイ。80代がどのように本を読み、感じ生きているのかに興味が湧いた。
 58歳と86歳の間を自分は生きているのだなあと思いながら帰る。

 今日は午前中に部屋の中の大掃除。まあ、大掃除という名の本の移動なのだが。昼過ぎに買い物に出る。
 今年最後の本屋。買い忘れていた『箱根駅伝2025完全ガイド』(ベースボール・マガジン社)を購入。
 駅ビルのスーパーで、今夜のすき焼きの材料を買う。その他にも1人用の厚焼き玉子・黒豆・伊達巻きも入手。家についてドアに今年で4年目となる注連飾りを掛ける。
 本の山が消えて広く感じるリビングにて、すき焼きで夕食。すき焼きは毎年土井善晴レシピで作る。昔ほど量が食べられなくなったため、紅白歌合戦が始まる頃には食べ終わってしまう。

 今年ももう終わる。若い頃は「いつまで生きられるだろう」と思っていたが、気がつけば「いつまで生きるのだろう」と思うようになっていた。100歳まで生きるとしたら、どうやって生活費をまかない、日々何をして生きていけばいいのだろうとふと考える。「二百歳まで生きる」を目標とする成瀬あかり(「成瀬は天下を取りにいく」)はすごいなと思う。すっきりしたリビングを出ると先ほど本を移動した他の部屋が見える。少なくとも100歳まで読む本には困らないことに気付く。しのごの言ってないで買った本を読めということかと笑う。することがないのなら隣の部屋に本を取りにいこう。

 今年もありがとうございました。

 よいお年を。