自宅本ドラフト会議。


 休日出勤の仕事を終えて地元のサブカル系古本屋へ。

 100円棚から。

 ともに書き込みあり。前者は「蝮のすえ」の冒頭数ページに線引きと書き込み。その内容を見ると国文学科の学生がレポートかゼミの発表のために使ったものと思われるが、冒頭以外に書き込みがないのでその学生さんは途中で投げ出してしまったのかも。後者は高島俊男さんの本で名前を見た記憶があったので買ってみた。おしまいのページに「S.48.11.20.ドラフト会議の日」と書き込みがあった。後で調べてみると昭和48年は作新学院江川卓が阪急に1位指名され、掛布が阪神に6位指名されたドラフトの年。元の持ち主は何かあのドラフトに関係のある人であったのだろうか。


 その他に通常棚からこれを買った。


 この本はここ数年この古本屋の棚にあり、棚における位置を微妙に変えながら今日までそこにあった。その間ずうっと気になっていていつかは買う日が来るのではないかという予感めいたものを感じながら何度も目にしていた。川崎彰彦さんが亡くなったというニュースを聞き、今がその時だと棚から抜く。何年か前に出た「ぼくの早稲田時代」(右文書院)でその存在を知ったが、未だに作品は読んだことがない。それでもどこか気になる存在として自分の関心の視野に時折入ってくる名前であった。

ぼくの早稲田時代

ぼくの早稲田時代

 冷たい雨が降る中を帰宅。


 数日前から読み始めた岩瀬成子「オール・マイ・ラヴィン」(集英社)の続きを読む。BGMはやはりビートルズかと思い手近にあった「THE BEATLES LIVE AT THE BBC」(東芝EMI)を流しながら読む。

ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC

ザ・ビートルズ・ライヴ!!アット・ザ・BBC

 夕食前に読了。とても淡い物語だな。ヒロインを取り囲む様々な魅力的な登場人物たちとの関係が描かれるが、その物語は閉じることなく淡く続いていく。ただ文房具屋ネコシマのおばあちゃんだけがその死によって2人の関係の物語を閉じるだけだ。僕が1970年代後半にビートルズを認識したときにはすでに彼らの価値や歴史的評価も出来上がっていた。遅れてきた人間としてはリアルな存在としてのビートルズを感じることはできなかった。そのリアルはどのようなものかという一つの体験を感じさせてくれる作品だった。


 夕食後、『sumus』13号を読む。もったいないので一日一編程度しか読まない。昨日は山本善行晶文社の本について」を読み、今日は福島修「中村勝哉『創業のころ』を読む」と岡崎武志島崎勉さんと晶文社の日々」を読んだ。今日読んだ二編によって恥ずかしながら晶文社の出所来歴を初めて知った。なぜ「高校受験案内」の黄色い本を晶文社が出しているのかもようやく理解した。ふ〜ん、そういうことか。

 次の第1回自宅本選択候補選手は積ん読本になっている津野海太郎「おかしな時代」(本の雑誌社)に決定する。

おかしな時代

おかしな時代