美しい鼻。


 朝、起きると鼻水が止まらない。

 この数日、マスクをしないで野外仕事をしてきたことと、昨晩風の吹く中での花見をしたことのツケが今日になって来たらしい。


 落語の「崇徳院」で若旦那が惚れたお嬢さんの美しさを形容して「水のたれるような」という表現が出てくるが、さしづめ今日の僕の鼻はとりわけ美しいだろうと思われる。


 休日出勤。知らなかったのだが今日は職場に清掃部隊が入る日であったらしく、一歩足を踏み入れたらそこには揃いの作業着を来た清掃員たちが薬品を床に散布しながら清掃マシーンを操っている。これに怯んでいては仕事にならないので、掃除の間隙を縫って申請書や領収書の作成などに取り組む。明日からの出張のための連絡メモを置いたりメールを送信したりしてから退勤。


 小雨が降り始める中をブックオフへ。年度末なのであちらこちらの店でセールをしていると聞き、ここでもやっているのではと期待してきてみたのだが、我関せずと平常営業であった。文庫を何冊か選んで帰る。


 
 地元の本屋で。

 雑誌を開くと立川談春師匠の姿が。連載していた「談春のセイシュン」が「赤めだか」と改題されて単行本化されることになり、それを記念しての落語会が各地で行われるらしい。6月28日に歌舞伎座で行われる談志・談春親子会に行きたいなあ。でも、すぐ売切れ御礼となってしまうのだろうな。


 帰宅後、読み残していた「文学鶴亀」を読了する。武藤さんの文章は他にもたくさんあるのだから、「文学多情仏心」や「文学秋日和」なんて本をもっと出してほしいものだ。


 夕食は今夜もペヤング。先日の唐辛子入り辣油が今ひとつだったので今日は「かんずり」(唐辛子に柚等を混ぜて熟成させたもの)を入れてみる。おお、いけるではないか。よしよし。


 食後『en-taxi』を眺める。吉田拓郎特集から岡崎武志「拓郎に向かって走れ」を読む。「オールナイトニッポン」の思い出に始まり、古のつま恋に行けなかった思いと、新しいつま恋に行けた喜びとが語られる。


 実は、明日から1泊2日でつま恋に出張に行くのだ。タイムリーだね。


 『en-taxi』の後記に「ベーコンの永代橋」の都合による休載の旨が載っていたが、今日草森紳一さんが亡くなったと言うニュースを知った。一時期古本屋を回って草森さんの本を買い集めていたことがあった。その個性的な本の装幀なども含めてとても魅力的な存在であった。本になっていない連載は山のようにあるだろう。このまま埋もれてしまうのだろうか。

 積ん読状態にある草森さんの本を読んでみようかな。まずは永井荷風ものあたりから。

荷風の永代橋

荷風の永代橋