月見と花見。

 
 午前中野外仕事。昨日に続いてマスクを外してみる。若干咳き込むがそれほどでもない。


 午後、約束していた来客の応対をする。依頼の内容は挨拶原稿のチェック。アナウンサーや会社の受付嬢をやっていた人らしく、人をほめたり、おだてたりするのが上手だ。こちらのアドバイスに「すごーい」を連発。いや、すごいのはあなたです。


 仕事を終えて、池袋に向かう。車中読書は高島俊男「天下之記者 「奇人」山田一郎とその時代」(文春新書)。


 池袋に到着。うどんの「すずりや」で肉ぶっかけうどんを食べる。ちょうど昼食時の忙しさが過ぎた時間帯らしく客は僕だけ、従業員の人がまかないを食べている最中だった。ちょっと居づらい感じ。

 往来座へ。瀬戸さんが店番。もってきた月の湯古本まつり用追加補充本を9冊ほどお願いする。場所が銭湯なので温泉本を2冊ほど入れておいたのだがどうだろう。


 「続年月のあしおと上・下」(講談社文芸文庫)は持っていたのだが、正編の方は文庫で持っていなかったので。

 この他に“山の上ホテル特製文庫カバー”を購入。見返しにHILLTOP HOTELと入っているのがいい。


 今晩の花見に参加する瀬戸さんと後ほどの再会を約して旅猫雑貨店へ向かう。この鬼子母神参道の通りは落ち着いていて雰囲気がいいなあ。桜もあちこち咲いているし、途中都電荒川線も走っているしね。金子さんは店にいた。一箱古本市の話などをしてから、愛用している酒袋新書カバーの最後の1枚を見つけてのでコンパクト棕櫚ほうきとともに買っておく。後ほど花見でと挨拶をしてから外へ。


 不忍通りに出て日本女子大を過ぎ、村上春樹「蛍」や「ノルウエーの森」に出てくる主人公が住んでいた寮のモデルとなった建物の反対側の路地をちょっと入ると月の湯があった。4月5日に古本まつりが行われる会場だ。残念ながら当日仕事で来られないため、今日見ておこうと考えたのだ。なるほど雰囲気のある建物だな。


 その後、不忍通りを歩いて目白駅に向かう。途中ちょうどバスが来たので飛び乗り、駅前で下車。まだ、花見の開始時間まで1時間半ほどあるため、近くのブックオフに入る。目白店に入るのは初めて。
 文庫を12冊ほど選んでいるうちに7時を過ぎる。並びのローソンで酒とつまみを買ってバスで日本女子大前まで。そこから歩道橋を渡って少し戻ると今日の会場である「目白台一丁目遊び場」に到着。向井さん、岡島さん夫妻、瀬戸さん、退屈男さん、Yさんらがすでにブルーシートを敷いてスタンバイしている。ここは先が傾斜地になっていて遮る建物がなく、眺望がいい。桜の花の屋根の向こうに新宿副都心の高層ビル群が思い思いにライトアップしながらそびえ立っている。いいじゃないですか。


 いつの間にか宴会が始まっている。他のメンバーも集まってくる。木村衣有子さん、畠中理恵子さん、NEGIさん、リコシェ豆ちゃん、エンテツさん、途中顔を出された朝晩ブクブックスメンバーの朝さんは奥さんと娘さん連れで。この1歳7カ月の娘さんがなんとも可愛らしい。遊び場をお母さんを追いかけながらちょこちょこ歩く姿にみな桜を忘れて目を奪われていた。また、朝さんの差し入れのコロッケが絶品。十条の柏屋さんというお肉屋さんのものだそうだが、スタンダードで直球の美味しさがたまらない。


 金子さんが三線を持って登場。いつものようにNEGIさんお手製の料理に舌鼓をうちながら、BGMに三線の音を聞きつつ楽しいときを過ごす。花冷えと言うか、北風が冷たいのが難点だが。


 今夜の収穫は木村衣有子さんと話せたこと。いつも外市で僕がレジに入っている時に会計されることが多く、2度ほど領収書を僕が書いたことがあるのだが、その時に「何だか怖い人で、話しづらそうだな」というイメージを持ってしまっていた。実際には、怖くないとてもいい雰囲気の方でした。また、女子校と男子校の違いについて話し合ってみたいものだ。
 木村さんといえば僕にとってはこの本。ただページをめくっているだけで楽しい。
 

京都のこころA to Z―舞妓さんから喫茶店まで

京都のこころA to Z―舞妓さんから喫茶店まで



 明日も仕事があるため10時半に早退する。「天下之記者」を読みながら帰る。