「文学鶴亀」における「文学鶴亀」の不在

 

 午前中、時間に余裕があったので明日締め切りの800字ほどの原稿を書く。どうも最後の着地がうまくきまらない。明日まで寝かせることにする。


 仕事で今年の箱根駅伝に出た選手と話す。テレビで観るよりずいぶんと華奢であった。


 夕方からの歌のレッスンが中止となる。よかった、まだ歌詞を暗記していないのだ。


 退勤後、本屋へ。
 中野翠「小津ごのみ」や『yom yom』最新号(ぴ、ピンクかぁ)をチェックするが、やはり待っていたこれを買う。

 早速、夕食を食べに入ったうどん屋で「文学鶴亀」のページを繰る。『週刊文春』で連載していた「批評の細道」がある。『文學界』で連載していた「韋駄天漫筆」がある。『本の雑誌』で連載していた「旧刊十二番勝負」がある。『東京新聞』で連載していた「日本語探偵帖」がある。『ノーサイド』で連載していた「文学鶴亀」が、あっ、えっ、な、ない。目次を何度も見返し、ページを頭からお尻までパラパラとめくってみてもない。「あとがき」によると分量が多かったため編集者の人が何分の一かに絞り込んでくれたという。そこでもれてしまったのか。「文学鶴亀」という書名から勝手に入っていると思い込みひとりで大騒ぎしていたが、とんだ勘違いであった。


 ちょっと肩すかしをくったような気分で帰宅し、最初の「批評の細道」から読み始める。『週刊文春』連載時に読んでいないので初読であるが、これがなんともおもしろい。ちょっと谷沢永一「紙つぶて」を思わせるようなところのあるシブくて味のある批評文。いつの間にか「文学鶴亀」における「文学鶴亀」の不在など忘れて読みふけっていた。いや、これは手応えのある1冊だ。読み進めていくのが楽しみでしょうがない。待っていたかいがあったなあ。


 読書のBGMはこれ。

ザ・トリオ Vol.2

ザ・トリオ Vol.2


 今週は録画を忘れなかったため無事に「鞍馬天狗」を鑑賞。ついに杉作登場。愛らしい杉作である。