時間旅行に港の人を誘う。


 休日ではあるが溜まっている仕事の処理に職場へ行かなければならない。


 せめて朝はのんびりといこうと朝風呂に入り、BGMに『サライ』付録のCDを聴く。古今亭志ん生「鮑のし」や桂文楽厩火事」。


 雨の降る中を傘をさして職場へ。


 まずは新聞を集めて読書欄チェック。『毎日新聞』だけは書評委員による今年の収穫本アンケートだ。そこに居並ぶ書評委員の方々の顔触れを見ていると元締めの丸谷才一氏を筆頭に年齢層の高いことに今更ながら驚く。最年少は江國香織さんかな。あとは僕より10歳以上年上の方ばかりだと思う。


 人影もまばらな職場の机に向い黙々と作業を続ける。1時間が経ち、2時間が経っても机の横に山と積まれたものがなくならない。自分を鼓舞するためにiPodで音楽を聴きながらまた黙々と続け、なんとか机の横の山が片付いた時には5時間以上が経過していた。その後、別の作業に移り気がつけば9時近く。職場には誰もいない。100人以上の机が並ぶ広い部屋で灯りと暖房をつけてひとりで仕事していると上に知れるとまた電気代の浪費だとお小言をもらいそうなのでここらで退散する。


 帰りに寄った本屋で『週刊読書人』12月19日号を買う。“二〇〇八年の収穫 印象に残った本”のアンケート特集号だ。38人の回答者の中で特に印象に残ったのは中森明夫氏。武藤康史「文学鶴亀」、浅生ハルミン「ハルミンの読書クラブ」・近代ナリコ「ナリコの読書クラブ」、内澤旬子「おやじがき」を挙げている。〈もっと本を出してください、ハルミンさん!!〉、〈ブラボー、内澤旬子♡ 最高!!〉といった言葉が飛び交う。


 今日アマゾンから本とCDが届く。

  • 神西清・石内徹編「雪の宿り 神西清小説セレクション」(港の人)

雪の宿り 神西清小説セレクション

雪の宿り 神西清小説セレクション

時間旅行

時間旅行

 アン嬢の新譜はゲームのエンディングテーマとして制作されたマキシシングル。地元のCDショップでは見かけないのでアマゾンで注文しようとしたところ1500円以下なので送料無料にならない。それなら他のものと抱き合わせにしようと考えていた時に「BookJapan」で岡崎武志さんの「雪の宿り」書評を読み欲しくなってしまったこちらも注文してしまう。300円ほどの金額のためにその10倍以上の本を買うというのはどうなのだろうと思わないでもないが、買ってしまったものはしょうがないのである。