古本屋めぐりとアン・サリー

休日なので、9時に起きて洗濯を済ます。干すために窓を開けると冷気が雪崩れ込んでくる。いや、今日は寒い。外へ出るのが億劫になるが、折角の日曜なのでやはり出かけることにする。
給料が入ったばかりで、財布には余裕があるし、買いたい本も沢山あるとなれば行かずばなるまい。神保町へ。
日曜日にはほとんどの古書店が店を閉めているので新刊書店中心のルートとならざるを得ない。すずらん通りの東京堂からふくろう店へ。ここの坪内祐三棚で「石神井書林古書目録65号」を買う。その後神保町古書モール→村山書店→悠久堂書店→小宮山書店ガレージセールと回るが何も買えず、日本特価書籍へ。ここで欲しかった新刊を数冊。

この店は新刊が全品1割引なのでついつい買いすぎてしまう。
気がつけば神保町に来て古本を1冊も買っていないではないか。古本好きの自分としては納得できないので中央線沿線の古本屋めぐりに繰り出すことにする。
半蔵門線→丸の内線と乗り継いで荻窪へ。まずはささま書店を覗く。名物の店頭均一台には程度の良い本が多く並んでいるが、なぜが手が伸びない。店内でも何も買えず。不思議なもので他の日であれば買っているはずの本が買えない日と言うものがあるのです。あきらめて大戸屋で昼食。食事を終えて外へ出ると雪がチラついている。常田書店に向うが「本日臨時休業」の貼紙が。もう何度目だろうか。来るたびに何か不都合が生じ、これまで一度もこの店に入れたことがない。自分と常田書店との間にカフカ的不条理の存在を感じるといえば大袈裟かな。

西荻へ。まずは興居島屋。来るたびに段々好きになる店である。渡辺一夫渡辺一夫 敗戦日記」(博文館新社)を購入。店主の方がパソコンに向っていたので三鷹上々堂のブログを書いているのではないかと思う(後でブログを見てみるとやはりそうだったらしい)。
続いてハートランド経由で音羽館に寄る。「彷書月刊」2月号と文庫本を2冊。

「本とその周辺」は以前から探していたもの。1000円であったが、最近の文庫でもこれ以上する本は珍しくない。めったに出会えない本なのだからと買う。また、この店で大阪の貸本喫茶ちょうちょぼっこの図書目録vol.3を入手する。東京では一部の店でしか置かないフリーペーパーであるためなかなか手に入らなかったものなのでうれしい。

帰りの電車で「彷書月刊」を読んでいると、南陀楼綾繁さんの連載で4つの読書ブログを取り上げていた。

  1. 密偵おまさの市中視廻り日録」
  2. 「web読書手帖」
  3. 「Love Books」
  4. 「とり、本屋さんにいく」

このうちの3つは毎日チェックしているブログである。「Love Books」だけが未見。早速チェックしなくては。
毎号楽しみにしているグレゴリ青山「ぶんぶん堂のグレちゃん」でダンテの「神曲」を間違えて「神田」と書いてしまうギャグは、以前に向井透史セドローくん)が「Will」の連載でも使っていた話なので、それが元ネタかなと邪推してしまう。それともこの筋では結構有名な話なのかもしれない。

地元に帰ると雪がみぞれ交じりの雨になっていた。帰宅して今日の収穫を眺める。こんなに買い込んでどうするんだとも思うが、買う本の多さが自分のストレスの強さと比例していることを経験から知っているので、まあ仕方ないかと許してしまう。これが自分のストレス解消法なのだから。
もう一つの抗ストレス剤である音楽を聴く。今日は、アン・サリー。この人が一番効く。何度聴いても飽きるということがない。彼女のweb日記で4月に新アルバムが出ることを知り、楽しみが増えた。それまで旧作をまた繰り返し聴いていくことにしよう。
ムーン・ダンス デイ・ドリーム ヴォヤージュ