知らないウエッジ文庫にはついていかなきゃだめよ。


 とりあえず気の重い会合がなんとか済む。


 ほっとして退勤。


 本屋で、なんども逡巡したのちこれを買う。

へうげもの(8) (モーニング KC)

へうげもの(8) (モーニング KC)


 前から「へうげもの」の評判は度々目にしており、興味はずうっと持ち続けていた。機会をつかまえて1巻から読んでみるつもりが、今日最新刊があるのを見て途中から読み始めることに対するためらいを感じつつ結局買ってしまう。これを読んだらきっと1巻から7巻まで大人買いしてしまうんだろうなという思いもあってなかなか踏み切れなかったのだ。


 帰宅するとポストに『彷書月刊』3月号が届いていた。


 まずは「へうげもの」を読む。この人のデビュー作「大正野郎」を雑誌連載で読んでいたころを思い出す。この人の動きを感じさせない絵が、千利休の重さを存分に表現している。


 今月の『彷書月刊』は読みどころたっぷり。まず、特集“労働と文学”から曾根博義先生の「小林多喜二と小樽高商」を読む。先生は多喜二作品の面白さを語り、ノーマ・フィールド「小林多喜二」(岩波新書)を目覚ましい成果の一つとしている。読んでみよう。

 岡崎武志「均一小僧の気まぐれ古書店紀行」は仙台の本にゃら堂をとりあげている。昨年暮れにハルミンさんと海月書林さんのトークイベントがあった時に岡崎さんが取材していたことを思い出す。あれ、僕もVANくんとして登場してるよ。

 南陀楼綾繁「ぼくの書サイ徘徊録」はブログ「qfwfqの水に流して」とウエッジ文庫について。僕も最近このブログの主がウエッジ文庫の編集者である服部滋さんであることを知った。文中にある服部さんの「これまでに知られていなくても、いい本や著者はまだまだあります。きちんと掘り起こせば、ついてきてくれる読者はかならずいると思います」という言葉を読んで思わず、「ついていきます」とつぶやいた。
 南陀楼さんによると、ウエッジ文庫の4月の新刊は岩佐東一郎「書痴半代記」(解説は石神井書林内堀弘さん)だとのこと。「知らないおじさんにはついていっちゃだめよ」と子供のころ母親から言われたが、知らないウエッジ文庫には安心してどこまでもついていこうと思う。


 全国古書店案内の池袋編は古書往来座の瀬戸さんが文と地図を描いている。親切な瀬戸さんは、池袋周辺の古書店めぐりのコース表まで付けてくれている。この地図を手に所要時間4時間半というコースを歩いてみようか。


 今日のBGMはこれ。フランク・フォスター、ドナルド・バードケニー・バレルトミー・フラナガン、ダグ・ワトキンス、アート・テイラーというメンバーを見れば、ジャズが好きな人ならどんな雰囲気の音が鳴っているかお分かりいただけると思います。

オール・デイ・ロング+1

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