そうだ、確かに僕たちはあそこにいた。


 遅番で寝床にいる僕に朝の陽光がカーテンを透かして起きろ、起きろと言ってくるが、知らないふりして8時前まで横になっている。


 銀行と郵便局に寄り、おこわを買って職場へ。


 職場への坂道を強い陽射しを受けながら歩いていくうちに汗をびっしょりとかく。まだ、体が暑さに慣れていないのだろう。


 汗を乾かす間もなく、仕事にかかる。


 突然の会議に出席し、その後同時並行的に野外と室内の仕事をこなさなければならず、建物を出たり入ったりの繰り返し。落語の「佃祭」に出てくる困った弔問客が語る腐った弁当を食べた女房のような有様だ。


 8時過ぎに退勤。本屋へ。

 この号には向井透史さんが樽見博「三度のメシより古本」(平凡社新書)の書評を書いている。


 駅ビルのCDショップでこれを買う。

Best of Best~Selected by 黒田恭一

Best of Best~Selected by 黒田恭一


 音楽評論家・黒田恭一氏のセレクトによるアン・サリー・ベストアルバム。基本的にはすでに持っている「ヴォヤージュ」、「ムーンダンス」、「ブラン・ニュー・オリンズ」の3枚から選ばれたものなのだが、未発表ライブ音源2曲が収録されているのがミソ。これは聴きたいと購入。


 帰宅して、「セクシーボイスアンドロボ」の最終回を観る。省略と飛躍の多い展開ながら木皿泉脚本は何とも言えない雰囲気で包み込みながら最後までみせてしまう。なんとなくニコとロボが会わなくなっていく最後がいいな。


 「Best of Best」を聴く。未発表ライブ音源は、2005年12月にSHBUYA-AXでの録音だ。これは、岡崎武志さんと行ったあのライブだ。
 その2曲は「Haven't We Met」と「黄昏のビギン」。《雨に濡れてた たそがれの街》で始まる永六輔&中村八大の「黄昏のビギン」がいい。
 そうだ、確かに僕たちはあそこにいたのだ。あの日のライブを2枚組のアルバムでコンプリートに出してほしい。この2曲があるということは、あの日のアン嬢の歌声はすべて録音されていたはずなのだから。