眼福と口福と。

 仕事帰りに本屋へ。


漱石全集物語 (岩波現代文庫)

漱石全集物語 (岩波現代文庫)



 岩波が「定本 漱石全集」を出すのに合わせた企画と思われる上記2冊を購入。漱石と子規の取り合わせ。

 『東京をバスで散歩』は京阪神エルマガジン社。同じようなバス旅企画の特集雑誌は何度か見かけたが、信頼を置くエルマガジン社の名前と表紙の写真にやられてレジへ持って行く。



 書店の袋を鞄に詰めて町の中華料理店で夕食。野菜炒めと餃子を注文する。麺や白飯の炭水化物はなし。とりあえず、1年以上平均67キロを維持している。去年の夏が79キロだったので12キロ減だ。

 料理が来るまで、『東京をバスで散歩』を眺める。13ほどのバスルートによる町歩きが載っているのだが、「都バス【草63】【上58】で食う読む読む読む遊ぶ。◎浅草→三ノ輪→道灌山下→千駄木護国寺→早稲田」を開くと、そこにはカストリ書房、ひるねこBOOKS、往来堂書店、古書ほうろうなど本屋がいっぱい登場している。おやおや、と思っていたら“取材・文 南陀楼綾繁”の文字が。なんだ、ナンダロウさんではないですか。それで納得。買って正解。続く都バス【白61】(取材・文 稲田豊史)には青聲社、ブックギャラリー・ポポタムも登場し、“わめぞ”まで出てきて楽しめる。やっぱり、こういう雑誌は二次元の電子書籍ではなく、三次元の紙として手に持っていたい。

 最近、同じように感じたのは、『Casa BRUTUS』12月号の本屋特集。最初は電子書籍の“dマガジン”で読んだのだが、タブレットやPCの画面では隔靴掻痒の感否めず、翌日大判の持ち重りのする『Casa BRUTUS』を本屋で買ってきて部屋でじっくり眺めて満足した。眼福。


CasaBRUTUS(カ-サブル-タス) 2016年 12月号 [居心地のいい本屋さん]

CasaBRUTUS(カ-サブル-タス) 2016年 12月号 [居心地のいい本屋さん]


 野菜炒めとジャンボ餃子を腹に入れ、店を後にバス停へと歩き出す。この時、不思議といつもフンワリとした幸福感に満たされる。口福感と言ってもいいかもしれない。この町で外食して店を出る時、一番幸せを感じさせてくれるのがこの中華屋なのだ。いつまでもこの“町中華”が営業を続けてほしいと願う。