大泉洋でしょう。


 昨日の暑さに懲りて、今日は麻のジャケットと夏物のズボンで職場へ。



 仕事をつつがなく済ませて退勤。



 本屋へ。先日からずうっと探していた本を見つける。



 映画「探偵はBARにいる2」の公開を意識して4月に出版されたと思われるこの本を書店で見かけた記憶がない。気づいた時にはアマゾンも入荷待ち状態になっており、出張ついでに寄った有隣堂でも見つけられなかった。発売当初の村上春樹新刊をしのぐ入手困難状態だったのだ。


 僕がこの本を探していたのは、大泉洋の代名詞ともなった番組「水曜どうでしょう」のファンであるからに他ならない。そうは言っても1996年から北海道テレビ放送で始まった多くのファンを持つこの番組を知ったのはそう前のことではない。実際にその映像を見たのはレギュラー放送が終了してからずいぶんたってスペシャルとして作られた2011年放送の「原付日本列島制覇」をTVKが流していたものが最初だから、つい最近と言っていい。しかし、見始めるのは遅かったがハマるのは早かった。仕事での鬱屈が多かった時期でもあり、それを忘れるようにネット動画を探り漁って、「水曜どうでしょう」の過去の作品を見まくる数週間を過ごした。僕がハマった理由の第一は大泉洋という俳優の持つ類い稀なる“言語反射神経”だ。番組内での喧嘩相手である藤村ディレクターとのやりとりにおける彼の言葉の選択の巧みさ正確さ速さはもう快楽としか言いようがないくらい僕の心をわしづかみにした。


 そんな大泉洋がこれまで書いた文章をまとめた上に、初めて「水曜どうでしょう」について語った書き下ろしの文章が入っているとなれば買わなくてはいられないよね。




 大泉本を鞄に入れながら久しぶりにサブカル系古本屋にも行ってみる。数ヶ月前から在庫整理のような売り方をしていて閉店するのではないかと心配している店だ。この前に行ったのは数週間前で、本だけではなくCDも“5枚で1000円”セールをやっていた。店の棚は半分以上空になり、やはり閉店するんだろうなという思いを強くした。ダイナ・ショアやパティ・ペイジのジャズボーカルアルバムなどを5枚買ってその時は帰った。今日は、単行本も文庫も漫画もすべて5冊500円に変っており、そして一番目についたのは“閉店セール”の文字だ。やはりそうだったのか。記念に5冊選んで店を出ようと思ったが、がらんとした棚を前にするとなんだか気持ちがひんやりして結局何も買わずに店を出た。



 帰宅して「大泉エッセイ」を読む。やはり気になるのは書き下ろしの「『水曜どうでしょう』について」という文章だ。「水曜どうでしょう」の面白さの理由を出演者自身が分析している。そこに書かれている内容はどうでしょうファンとしては首肯できるものばかりである。やはり、大泉洋というのはスマートな人だなあと思う。そして文章の末尾には《もうすぐ、また新作が放送になるだろう。》という一文が。おお、と思い早速ネットで検索すると、この4月に海外ロケを済ませたという情報が載っていた。また新作が見られるのか。それを楽しみに今年の残りの日々を生きて行くことにしよう。




 海外と言えば、どうやらこの夏の英国出張の内示が明日出るらしい。ほとんどがロンドンを離れた田舎での仕事となるが、都合2日ほどロンドンにも滞在できるようだ。空き時間を見つけてケンジントンガーデンズにあるオランジェリー(温室)という名のカフェに寄ってきたい。ここはロンドンに行く度に足を運んできた好きな場所なのだ。雰囲気は全然違うが、僕にとってはそこに行ったら必ず寄る場所、京都における進々堂のような店なのだ。仕事とはいえ、久しぶりの海外渡航に気持ちもちょっと高ぶっている。キンドルにはすでに青空文庫夏目漱石「倫敦塔」、岡本綺堂「倫敦の一夜」、土井晩翠「夏目さんのロンドンにおけるエピソード」、宮本百合子「ロンドン一九二九年」の他、加藤節雄「大人のロンドン散歩」(河出文庫)、出口保夫「夏目漱石とロンドンを歩く」(PHP文庫)、「ワンテーマ指さし会話 ロンドン×本屋」(情報センター出版局)、「lonely planet England」などが入っている。


大人のロンドン散歩 (河出文庫)

大人のロンドン散歩 (河出文庫)

夏目漱石とロンドンを歩く (PHP文庫)

夏目漱石とロンドンを歩く (PHP文庫)

ワンテーマ指さし会話 ロンドン×本屋 (とっておきの出会い方シリーズ)

ワンテーマ指さし会話 ロンドン×本屋 (とっておきの出会い方シリーズ)

Lonely Planet England (Travel Guide)

Lonely Planet England (Travel Guide)



 「どうでしょう」の新作に英国が入っているといいんだがな。