たらちね。

 この週末の急に気温が上がり、よく風の吹く気候は野外仕事の体にガツンガツンと花粉をぶつけてきて、マスクとメガネとティッシュが手放せない状態になった。


 昨日は「日曜日はトンデモナイ量の花粉が飛びまくる」と聞いていたので休日出勤しなくてもいいように、夕方までかけてなんとか仕事を仕上げて退勤した。


 これで明日は外出せずに家に籠っていられると気分も軽く本屋へ。ちくま文庫の新刊はすでに先日3冊ほど購入しているので、今日は講談社文芸文庫の棚をチェック。


[rakuten:book:16287302:image]


 出てました新刊が。今月の3冊の中ではやはりこれ。講談社が出していた「昭和戦前傑作落語全集」(全6巻)からセレクトした文庫オリジナル。文楽志ん生圓生・三代目金馬・四代目小さん・七代目正蔵などの高座が活字で再現されている。今も演じられている噺もあるが、聴いたことのない噺も多い。それもまた面白そう。解説は当代の柳家権太楼。真打ち昇進の時に師匠の小さん(五代目)から「なりたい名前を書いてこい」と言われて「桂文楽」と答えるあたりが権太楼師匠らしいな。



 もう1冊は単行本。

  • 浦西和彦・増田周子編「朝のように花のように 谷澤永一追悼集」(論創社


朝のように花のように 谷澤永一追悼集 (単行本・ムック) / 浦西和彦/編 増田周子/編


 2年前の3月8日に他界した谷澤永一氏の追悼文集が2年後の3月に刊行された。追悼文や著書の書評などでこれまで発表された谷澤氏に関する文章を収めている。開高健向井敏渡部昇一丸谷才一坪内祐三司馬遼太郎中村幸彦小西甚一と言った名前が並ぶ。大学時代の恩師の名も発見。迷わず購入。



 帰宅後、仕事の疲労と花粉のダメージでぼんやり。TVでアメリカ海軍と日本の自衛隊が合同訓練中に遭遇したエイリアンと戦うB級ハリウッド映画と「FOOT×BRAIN」を観て寝る。


 
 今日はいつもの通りぐすぐすと日曜の午前中を過ごす。窓からはこの時期には不気味なほどの温かさと強風があちこちにぶつかりながら吹き過ぎて行く音が聞こえてくる。予定通り本日は原則外出しないことに決める。


 のんびりと風呂に浸かる。BGMは古今亭志ん朝「宿屋の富」。師匠の口跡のよさに昨日こびりついた花粉も流れ落ちて行くような気がする。



 昼食と夕食を買いに嫌々ながら外出。花粉対策のメガネとマスクをして外へ出る。高台にある路上から街を眺めると全体が黄色く見える。「おお、これは黄砂と花粉とPだかなんだかが混じったものではないか」とかつてない景色に驚きながら足を速める。コンビニまでの往復という短い時間の中でも強い風は花粉対策用のメガネの隙間から小砂を眼入させてくる。コンタクトレンズをしているため激痛とともに滂沱の涙が流れ落ちる。


 泣きながら帰宅。午後は来週17日に迫ったみちくさ市に出品する本やそれに差し込むスリップの用意に費やす。最近本を整理していなかったので部屋は荒れ放題。結局準備をしているのだか、本の山をただ横移動しているだけなのか分からない状態に。だけどこれが楽しいんだよな。作業は進まず、時間があっという間に過ぎて行く。


 夜は、WBCの日本対オランダ戦を見ながら、本から値段シールを剥がしたり、PCでエクセルに出品する本の書名と作者名を入力したり。そこへ携帯電話が鳴る。実家の母親からだ。恒例の誕生日コール。この年になっても誕生日を祝ってくれる。有り難いもんです。でも話題はすぐにWBCマエケンの好投と日本のホームラン攻勢に変ったけどね。