この御本が目に入らぬか。

 昼前に出張のため職場を出る。


 昼食はまだとっていない。横浜の某所へ資料を取りに行って夕方までに戻ればいいという小学生のはじめてのお使いのような仕事。心はどこで昼食を食べるかに傾いている。


 思っていた通りに仕事は秒殺で終了。某所からきびすを返して横浜駅方面へ。昼食は久しぶりに大勝軒のつけ麺にする。熱い麺と冷たい麺の両方を食べられるあいもりをズルズルと食す。満足。



 思いの他、時間がかからなかったため、職場へ戻るのにまだまだ時間の余裕がある。そうだ、前から気になっていて一度も足を踏み入れていない本屋へ行ってみようと思い立つ。


 東急ハンズ近くのダイエー内にある「あおい書店」に行ってみる。以前にある方のブログを読んでいて品揃えのよさそうな本屋だなと興味を持っていたのだ。


 エレベーターで5階へ。この階と上の6階の2フロアがあおい書店となっている。まずは文庫のコーナーへ。講談社文芸文庫も結構揃っている。これはなかなか良さそうだぞと新潮文庫の棚へ行って地元の本屋になかった本を探してみる。あ、あった。


河岸忘日抄 (新潮文庫)

河岸忘日抄 (新潮文庫)


 「燃焼のための習作」を読んで読み返したくなったこの文庫を自宅でどこに置いたのか忘れてしまい、買い直したいと思って探していたのだ。品切れではなく生きていたんだなこの本。



 ついでにこれも地元では見つからなかった単行本を探す。




 これも平積みでありました。なかなかいい本屋だなここは。また来よう。




 職場のある駅まで戻る。天気は晴れたり曇ったり。晴れると汗ばみ曇ると冷える。ちょうど汗ばんで喉が渇いていたのでタリーズコーヒーに入って一休み。



 アイスコーヒーとドーナツ(オールドファッション)を頼み、携帯本の小谷野敦「21世紀の落語入門」(幻冬舎新書)を読む。落語の入門者向けの本として興津要古典落語」を薦め、森田芳光監督「の・ようなもの」を若手の落語家を描いたものとしては今のところ最高の作品と評価している。ともに未見。興味が湧く。




 その後職場に戻り夜9時まで働く。



 帰宅して丸谷/池澤本を手に取る。丸谷才一「三ページ書評の二十年」という前書きに目を通し、その本編をパラパラと捲る。1992年から97年までの書評からの名作選となっている。書評だけではなく、毎年の書評者が選ぶ「この3冊」も再録されているのがうれしい。「わたしの選んだ文庫・ベスト3」もあった。


 この本は3冊シリーズの第1巻にあたり、8月には1998〜2004年が、11月には2005〜2011年が刊行予定になっている。きっと揃えようとするんだろうな。目の前にごちそうのような面白い本を突きつけてくる書評を読むのが好きなんだから仕方ないか。