知人の愛。

 今日は知人の結婚式と披露宴に参列する。


 式ではつのだ☆ひろそっくりの神父が聖書の言葉を引用し、森三中の黒沢のような女性スタッフが賛美歌を熱唱していた。新婦はどこか安めぐみに似ており、いつの間にか知人の新郎がいつもはまったくそうは見えない東MAXに見えてくるから不思議だ。


 披露宴では緊張と酔いからボロボロの挨拶になった新郎を寿ぎの笑いと拍手が包んでいた。家族や参列者への感謝の手紙を淀むことなく読み上げた後、父母に対する思いから涙ぐむ新婦の姿は対照的に花嫁として一点の曇りもなく見事だった。このしっかりとした伴侶を得て知人は幸せそうに見えた。きっとこれから何十年もこの日のことは家族の笑い話として語られ続けて行くのだろう。



 宴がお開きになった後、駅ビルのLoFtに行き、ほぼ日手帳の3月始まり版を購入してから上の階の三省堂に寄る。


上方芸人 自分史秘録 (日経ビジネス人文庫)

上方芸人 自分史秘録 (日経ビジネス人文庫)


 この本は岡町高弥さんの『Monthly Takamitsu』でその存在を知った。日経ビジネス人文庫という僕にとってはアウェーの文庫から昨年の8月にこんな本が出ていたことをまったく知らなかった。この本は文庫オリジナルで、雑誌『大阪人』に「芸人わたく史列伝」という名前で連載されていた文章をまとめたものとのこと。著者の古川綾子さんは知らない人だが、古川ロッパを連想させる名前は芸人本の書き手にふさわしい印象だ。考えてみれば、日経ビジネス人文庫には「桂米朝 私の履歴書」が入っているではないか。今後はこの文庫も要チェックだな。



 帰りの車中は徳岡孝夫・中野翠「泣ける話、笑える話 名文見本帖」(文春新書)を読む。中野さんの文章もいいのだが、徳岡さんの文章により惹かれる。ジャーナリストだから文章にムダがなく、テンポがいい。ウエットではない沢木耕太郎といった感じ。オススメです。


泣ける話、笑える話―名文見本帖 (文春新書)

泣ける話、笑える話―名文見本帖 (文春新書)