この週末も出張野外仕事である。
始発バスに乗り、いつもの野外仕事現場へ。ここ数日の涼しかった気温がいきなりグンと上がって陽射しが眩しい。半袖のポロシャツから出た腕が見る間に真っ赤に染まっていく。
空になったペットボトルと期待はずれの結果を鞄に詰めて現場から街へと下りていく。
横浜駅西口でバスを降り、ダイヤモンド地下街で行われている古本祭を覗いてみる。
ぐるりと一周して1冊選ぶ。
- 荒川洋治「言葉のラジオ」(竹村出版)
荒川さんのエッセイを愛読しているのだが、この本の存在は知らなかった。奥付を見ると1996年4月に出版されている。「あとがき」からこの本がTBSラジオ「森本毅郎 スタンバイ!」の中の「日本全国8時です」というコーナーで荒川洋治さんが本についてしゃべった放送原稿をベースにまとめたものだと分かった。この荒川さんのラジオはよくポッドキャストで聴いているので馴染みもあり、興味もわく。僕が聴き始めたのはここ1年ばかりのことだから、96年当時の放送内容をうかがい知ることができるのもうれしい。少し、鉛筆での書き込みがあり、500円という手頃な値段であった。
そこからいつもの有隣堂へ。
雑誌の棚からこれを見つける。
- 『国文学 解釈と鑑賞』6月号
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
- 発売日: 2011/05/12
- メディア: 雑誌
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大学生時代ずいぶん馴染んだこの雑誌ともとんとご無沙汰なのであるが、私小説特集であることと寄稿者の顔ぶれも面白そうだったので買ってみる。
(随筆)佐伯一麦「私小説と私小説家の間」、(論文)石原千秋「忘れられそうな小さな日常 尾崎一雄」、川村湊「私小説という信仰告白 上林暁」、川崎賢子「太宰治『きりぎりす』論」、中沢けい「島尾敏雄 その作品群の輪郭」、長谷川郁夫「どこまでも明晰な狂気 小川国夫の超私小説家」などの他に、田山花袋、近松秋江、志賀直哉、牧野信一、嘉村礒多、網野菊、川崎長太郎、藤枝静男、三浦哲郎、車谷長吉、佐伯一麦、柳美里、西村賢太などが俎上に上がっている。
地元の駅に戻り、いつもの中華屋で夕食。今日はたっぷり汗をかいたので酸味と涼がとりたくて今年初めて冷し中華を頼む。さっき買った雑誌から佐伯一麦氏の随筆を読んでいるうちに冷し中華が来た。
家路を走るバスに乗り、iPodで「小島慶子 キラ☆キラ」のポッドキャストを聴く。吉田豪&ピエール瀧コンビの日が一番いい。これを聴くようになってピエール瀧という人の才能に素直に感心した。この人面白いや。
帰宅後、身体が水分とクールダウンを求めており、シャワーを浴びてからヘルシアスパークリング、明治のフルーツ牛乳、100%リンゴジューズを立て続けに飲む。明日の野外仕事の汗が今から思いやられる。