欠けた月はやがて満ちる。


 以前、岡崎武志さんがブログに貼っていて知ったアン・サリー嬢の歌う「満月の夕」。


 この曲は阪神淡路大震災への思いを綴ったもの。ソウル・フラワー・ユニオンHEATWAVEが共作しているがそれぞれ歌詞が違う。彼女が歌っているのはHEATWAVEのバージョン。僕もこちらの方が好きだ。


 これまで何度も繰り返し聴いてきたが、今も繰り返し繰り返し聴きたくなる。


 節電を呼びかけているせいだろう、いつもより家々から洩れる灯りは少なく暗い町並みが見える。月は見えない。


 でも、いつか月は出る。いつか月は満ちる。また欠けることがあってもまた満ちる。



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満月の夕


風が吹く港の方から
焼け跡を包むようにおどす風
悲しくて全てを笑う
乾く冬の夕


夕暮れが悲しみの街を包む
見渡すながめに言葉もなく
行くあてのない怒りだけが
胸をあつくする


声のない叫びは煙となり
風に吹かれ空へと舞い上がる
言葉にいったい何の意味がある
乾く冬の夕


ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ たき火を囲む 吐く息の白さが踊る
解き放て 命で笑え 満月の夕


絶え間なくつき動かされて
誰もが時代に走らされた
すべてを失くした人はどこへ
行けばいいのだろう


それでも人はまた 汗を流し
何度でも出会いと別れを繰り返し
過ぎた日々の痛みを胸に
いつか見た夢を目指すだろう


ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ たき火を囲む 吐く息の白さが踊る
解き放て 命で笑え 満月の夕


ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ たき火を囲む 吐く息の白さが踊る
解き放て 命で笑え 満月の夕



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