太陽が袈裟切り。


 仕事用のバッグはショルダーバッグでこれを袈裟懸けにしている。駅から歩いていると太陽がカーッと照りつけてきて職場に着くまでにしっかりと汗をかいてしまう。鞄をおろして洗面所に入るとひと昔前の南米のサッカーチームのユニホームのようにシャツに斜めの太線が走っている。太陽から袈裟懸けに切られたら血の代わりに汗が出た感じ。


 相変わらずの暑さにネクタイ締めての通勤はきつい。せめて新しいネクタイでも買って締めるモチベーションでも上げようかと帰りに駅ビルのスーツショップに寄り、ネクタイを見ていたら女性従業員がこちらを向いて驚いたように手で口を押さえている。なんと知り合いがバイトしているではないか。「どうぞごゆっくり」と言われたものの、なにやら気恥ずかしくそそくさと店を出た。明日もいつものネクタイで行くことに決定。


 帰りのバスではポッドキャストの「お台場寄席」から桂小金治「蛇眼草」を聴く。あの“泣きの小金治”だ。この人の落語を聴くのは初めてかもしれない。マクラの語りは往年のアナウンサー並みの滑舌の良さ。落語家のしゃべりじゃないよなと思いつつ噺に入るとその歯切れがよく、テンポのあるしゃべりが小気味よく噺を転がして行く。さすがベテラン見事な高座だった。


 帰宅するとポストに『ちくま』9月号が。ぱらぱらとめくっていると先月号から始まった田村七痴庵「古本屋と編集長と」の第2回が載っている。田村さんを『彷書月刊』の編集長にした若月隆一氏について。語尾にカタカナを使う田村さんの文章が懐かしくも新しいのでゴザイマス。


 
 仕事は相変わらず波乱含みでどうころぶか分からず。ただ週末の外市2日目(5日)には往来座へ顔を出せそうだ。


 今回の伴健人商店の出品リストは以下の通りです。外市脇の通りは風の谷のようによく風が吹く場所。暑気払いにおいで下さい。




【文庫】
黒柳徹子徹子の部屋1」
新藤健一「崩壊する映像神話」
安藤哲也「本屋はサイコー!」
岡留安則「“スキャンダル雑誌”創刊物語」
岡留安則「『噂の眞相』編集長日誌2」
島尾伸三「香港市民生活見聞」
三遊亭圓生「新版圓生古典落語1」
光文社翻訳出版部編「古典新訳の発見」
杉森久英「天才と狂人の間」
矢作俊彦「スズキさんの休息と遍歴」
横尾忠則「今、生きる秘訣」
久住昌之久住昌之の人生読本」
桑田佳祐「ケースケランド」
遠藤一夫「おやじの昭和」
ジャン・ジュネ泥棒日記
伊藤玄二郎「風のかたみ」
池波正太郎池波正太郎の春夏秋冬」
高田文夫「笑うふたり」
川又一英「ヒゲのウヰスキー誕生す」
黒柳徹子トットのピクチャー・ブック」
週刊朝日編「戦後値段史年表」
文藝春秋編「ダルマの縄跳び」
猪俣勝人「現代編日本映画名作全史」
ガルシア・マルケスほか「美しい水死人」
角川映画「愛情物語」
唐沢俊一「トンデモ一行知識の世界」
北尾トロ「怪しいお仕事!」
ピエール・モリオン/生田耕作(訳)「閉ざされた城の中で語る英吉利人」
アーウィン・ショー「夏服を着た女たち」
アーウィン・ショー「ニューヨーク恋模様」
アーウィン・ショー「夏の日の声」
アーウィン・ショー「ニューヨークは闇につつまれて」
天野祐吉嘘八百!」
阿部公房「内なる辺境」
ウィリアム・サローヤン「ヒューマン・コメディ」
西条昇「東京コメディアンの逆襲」
R・D・ウィングフィールド他「夜明けのフロスト」
中野翠「スター★クレージー
佐藤義尚「ぼくのペンション繁昌記」
安岡章太郎編「滑稽糞尿譚」
ラッセル・ベイカー「怒る楽しみ」
石川達三「生きている兵隊」
吉行淳之介「私の東京物語
文藝春秋編「血族が語る昭和巨人伝」
神吉拓郎「フツーの家族」
林芙美子「めし」
東海林さだお東海林さだおのフルコース」
関川夏央「七つの海で泳ぎたい。」
関川夏央「昭和時代回想」
青島幸男人間万事塞翁が丙午
鹿島茂「空気げんこつ」
マイ・シューヴァル/ペール・バァールー「蒸発した男」
吉川潮「突飛な芸人伝」
井上章一「関西人の正体」
茶木則雄「帰りたくない!」
毎日新聞社「『県民性』こだわり比較事典」
都筑道夫「チャンバラもどき」
勝俣勝人・田山力哉「日本映画俳優全史女優編」
勝俣勝人・田山力哉「日本映画俳優全史男優編」
勝俣勝人・田山力哉「日本映画作家全史(上)」
勝俣勝人・田山力哉「日本映画作家全史(下)」
柴田元幸・編訳「夜の姉妹団」
和田誠「3人がいっぱい1」
大宅昌「大きな駄々っ子」
大竹伸朗「カスバの男」
山口瞳「行きつけの店」
文藝春秋編「とっておきのいい話」
溝口健二の人と芸術」
ウッディ・アレン「羽根むしられて」
文藝春秋編「大アンケートによる洋画ベスト150」
色川武大「怪しい来客簿」
文藝春秋編「孤高の鬼たち」
山本容朗「作家の食卓」
樋口修吉「銀座北ホテル」
谷東次郎「オートバイと初恋と」
安岡章太郎編「私の文章修行」
開高健監修「洋酒天国2」
泡坂妻夫 「斜光」
高田文夫「正しい団塊の世代白書」
横尾忠則「東京見おさめレクイエム」
夢枕獏編「釣りにつられて」
文藝春秋編「なんだかおかしな人たち」
中山康樹「リッスン」
山下洋輔「ドバラダ門」
横尾忠則「見えるものと観えないもの」
久住昌之「小説中華そば『江ぐち』」
吉行淳之介ほか「三角砂糖」
鍵谷幸信編「英語面白事典」

【単行本など】
ウィリアム・シュウェンク・ギルバート「喜歌劇ミカド」
小熊英二清水幾太郎
鹿島茂「文学は別解で行こう」
大橋歩「2杯めのトマトジュース」
平野甲賀「もじを描く」
藤牧徹也「本棚三昧」
松岡正剛松岡正剛の書棚」
蜷川実花ラッキースターの探し方」
『水声通信3号』
上野顕太郎さよならもいわずに