活字と実家。


 昨日の夜に荻原魚雷「活字と自活」(本の雑誌社)を読み終えた。誰もが思うことだろうけれど、このエッセイ集には、地味ではあるが自分の世界をしっかりと持った私小説の佳品を読むのと同質の感動がある。
 林哲夫さんがブログで魚雷さんに以前から小説を書けと勧めていたがこの「活字と自活」がそれにあたる作品だと考えることもできるという内容のことを書かれていた。その通りだと思う。

活字と自活

活字と自活

 今日はバスに乗って職場へ。車中で急にクシャミがでる。そのクシャミの中に死んだ父親がいることに気づく。血は争えない。


 夕方までエクセルと格闘し、退勤。


 まだ、暑さと明るさの残る道を西に向かって歩く。冷房で冷えていた体からたっぷり汗が噴き出したところでブックオフへ到着。


 箱入り本を集めたコーナーでこれを見つける。

 すべて1冊200円。日記の本文だけではなく、描かれたイラストや貼付けた新聞記事などがそのまま再現されているのがいい。


 その他、「活字と自活」を読んでいて気になったこの2冊が新書棚にあったので買っておく。

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

「アメリカ社会」入門 英国人ニューヨークに住む (生活人新書)

「アメリカ社会」入門 英国人ニューヨークに住む (生活人新書)

 ブックオフを出ていつものモスバーガーへ。携帯本のねじめ正一荒地の恋」(文春文庫)を読む。横浜や鎌倉が舞台のこの小説には自分の生活圏の場所がいろいろと出てくるので興味がわく。主人公の北村太郎が教えていた横浜のカルチャースクールの校舎に僕も通っていたことがある。もちろん、北村さんの講座ではなく、「現代思想入門」という講座だったが。

荒地の恋 (文春文庫)

荒地の恋 (文春文庫)

 今夜になって「活字と自活」が似てはいるが回文にはなっていないことに気づく。ずっと回文だと思っていたのに。うかつ。
「活字と実家」だったらね。