イタミ本2冊。


 出張野外仕事のない週末。


 昨日は久しぶりにカトウさんを見た。と言っても通勤時ではなく(彼女は土日休みらしく土曜日の通勤時にすれ違ったことはない)、野外仕事の後の体をクールダウンさせるために職場近くのパン屋へアイスを買いにいった帰りに職場の入口前の道路で買い物帰りのカトウさんとすれ違う。おや、今日は良い日であったかと思うが、あったはずの良いことが思い浮かばない。そのうちに、そういえば今日は嫌なことがなかったことに気づく。そうか、それで充分なのだ。


 それから昨日は、夜7時に退勤し、久しぶりにブックオフへ行った。


 105円棚からあれこれ文庫、新書を買って、通常棚からはこれを見つけた。

コント馬鹿 小説「ゆ~とぴあ」ホープ

コント馬鹿 小説「ゆ~とぴあ」ホープ

 コント〈ゆーとぴあ〉のホープの半生を描いた芸人小説と帯にある。岡町高弥さんが『マンスリー・タカミツ』で褒めていたのが記憶にあった。新刊書店で出会えないでいるうちにここで見つけたのも何かの縁だとかごに入れた。


 ブックオフを出ていつものモスバーガーへ。テリー伊藤プロデュースのラー油バーガーが気になっていたのだが、すでに売り切れていたので、ぜいたくチーズバーガーを食べる。思っていた以上にボリュームがあり、多量のソースを味わうためのスプーンが付いていた。うまい。


 帰宅して何もする気がせず、テレビでアルゼンチン対ナイジェリアの試合を観た。観ているうちに、メッシがなんだか問題ばかり起こすマラドーナ父ちゃんを筆頭とするアルゼンチン大家族をたったひとりで懸命に養っている働き者の末息子に思えてしまう。


 今日は8時に起きて、寝床で録画しておいたイングランドアメリカ戦を観る。44年振りの優勝へという言葉が聞こえてくるが、客観的に見てイングランドが優勝するとはとうてい思えない。しかし、英国好きの我が身はそれでもこのチームを応援してしまうのだ。たぶん、ルーニーにとって人生で最高の状態で迎えたワールドカップだろう。それを追うだけでも見る価値はある。ジェラードのゴールで目覚ましく始まったゲームはゴールキーパーのイージーミスであっけなく引き分け。この間の抜け方もまたイングランドなのだ。

 このチームのユニホームはシンプルでありながらセンスのいいデザインが多く毎回愉しみにしているのだが、今回のなんの工夫もない襟付きホワイトシャツはなんなのだろう。ファンでもほしいと思わないよ。あれじゃ。


 昼前に家を出て職場へ。午後からスタッフが数時間仕事をするということなので、管理責任者として顔を出さなくてはならない。


 職場近くのSUBWAYBLTサンドイッチを買ってから行く。先日テレビでこの店が取り上げられていて久しぶりに食べたくなったのだ。自分のミーハーさにちょっと恥ずかしいものを感じながら。


 職場で昼食を食べてから夕方まで仕事。


 帰り道、気に入っている文房具屋でペンとノートを買ってからサブカル系古本屋に寄る。落語のCD数枚とこれを買う。


 痛み本ということで安かった。カラー頁にたくさんJ・J氏のコラージュ作品が入っていてビジュアル的にも見所が多い本。


 帰りのバスではiPodに落としておいたポッドキャスト「ラジオの街で逢いましょう」の2008年12月5日配信の岡崎武志さんがゲスト出演した「昭和30年代から学ぶこと」を聴く。これは「昭和三十年代の匂い」(学研新書)の発売に合わせて出演したもののようだ。ドラえもんのび太が遊んでいた土管のある空地が昭和39年を境に有刺鉄線を張られて隔離されてしまうようになるという話は本でも読んだが自分の子供時代を思い出しながらそうそうとうなづいてしまう。それから、匂いが記憶に結びつくという話にも強く同感する。いまでもふと名前も知らないある花の匂いをかぐと、小学生の頃、学校帰りに生け垣の前で同じ匂いをかいでいたあの時の光景がまざまざとよみがえってくるのだ。

昭和三十年代の匂い (学研新書)

昭和三十年代の匂い (学研新書)


 家で録画しておいた「モヤモヤさまぁ〜ず2」を観てから、先日買った伊丹万作伊丹万作エッセイ集」(ちくま学芸文庫)をぱらぱらと眺める。

伊丹万作エッセイ集 (ちくま学芸文庫)

伊丹万作エッセイ集 (ちくま学芸文庫)


 この本が文庫になったことをまず喜びたい。できれば「伊丹万作全集」を文庫化してほしいが。ただ、選者が娘婿の大江健三郎氏ということもあり、収録されている文章が真面目なものばかりなのが少し残念。数は多くないが、伊丹氏独特のユーモアを感じさせる文章もぜひ入れてほしかったな。