雨遠く。

 日記を書いていなかったこの数日を振り返ると、ひさびさに『WiLL』4月号を買って、向井透史「早稲田古本劇場」を読む。「わめぞ史」の第1回。こういう概説的な文章というのはお定まりのパターン化したものが多いだけに筆者の力量が如実に表れるものなのだが、こういうものを書くときの手際の良さと切り取り方の見事さは向井さんならではだなあと素直に感心しながら読んだ。続きが読みたい。


 その他、坪内祐三「酒中日記」(講談社)や『新書大賞2010』(中央公論新社)を購入。

 「酒中日記」は昨晩読み終えた。「たつみ」や「リスボン」といった馴染みのある居酒屋や洋食屋、それに2度ほど古書往来座も登場する。すずらん通りの「浅野屋」で梅酒ソーダ割りを飲みながらテレビで大相撲中継を見たくなるね。

酒中日記

酒中日記

 『新書大賞2010』は書店員、書評家、編集者などが投票で新書の年間ベスト20を選んでいる。しかし、20冊のうち読んだのは、11位の松岡正剛「多読術」(ちくまプリマー新書)と16位の堀井憲一郎「落語論」(講談社現代新書)の2冊だけ。20人の目利きがイチオシの新書を挙げるコーナーでは個人的に注目している同い年の一人である加藤徹氏が鈴木孝夫「日本語教のすすめ」(新潮新書)を選んでいる。ほう、そうなのかと読みたくなった。


 昨日と言えば、『Monthly Takamitsu』149号が届いた。前号を読んで、購読料の切手を送らなきゃと切手を買ってきたのだが発行人の岡町さんに送る前に最新号が届いてしまいちょっとあわてる。近々送ります。今号は「2009年度収穫回顧号」だ。映画篇の1位がイーストウッド監督「グラン・トリノ」であるのは「そう、そう、そうでしょう」とうなずく。この間観て好印象であった「ディア・ドクター」も高評価。一番関心のある書籍・雑誌篇はやはりじっくり読んでしまう。読んだものでは堀井憲一郎「青い空、白い雲、しゅーっという落語」(双葉社)と「落語論」(講談社現代新書)、荒川洋治「文学の門」(みすず書房)、野口富士男「作家の手」が載っていた。どれも印象深い本だった。正岡容「定本日本浪曲史」(岩波書店)が復刊されたことを知った。岡町さんはポッドキャストの「ラジカントロプス2.0」のマキタスポーツを推奨している。さっそく聴いてみたが、これは魅力的な才能だ。さっそく「東京ポッド許可局」もダウンロード。


 今日は職場のグループで羊肉のしゃぶしゃぶを食べに行く予定だったのだが、仕事が終わらずキャンセルに。いい人なんだけどアバウトな相方とかみ合わないまま一日を終える。ため息ついて退勤する。



 3月6日(土)・7日(日)は池袋の古書往来座で行われる外市だ。昨日伴健人商店として出品する荷物を往来座へ送る。


 今回の出品リストは以下の通り。雨が遠くに行きます様に。




【単行本】

岡崎武志「女子の古本屋」
岡崎武志編「本屋さんになる!」
リュドミラ・ウリツカヤ「ソーネチカ」
森雅之「追伸」
平松洋子「買えない味」
立川志の輔玄侑宗久「21世紀のあくび指南」
梶山季之資料室編「梶山季之と月刊『噂』」
川本武「本棚が見たい!」
淀川長治「僕の映画百物語」
木村衣有子「手紙手帖」
別冊太陽編『この絵本が好き!2004年度版』
ジョルジュ・シムノン「メグレと殺人者たち」
spotting「あの角まで」
西原理恵子毎日かあさん 出戻り編」


【雑誌】

出久根達郎漱石先生の手紙」
『新潮』2008年1月号
『モンキー・ビジネス』ナイン・ストーリーズ
modern juice』7号


【新書】

山口文憲団塊ひとりぼっち」
亀和田武「人ったらし」
マンディアルグ「オートバイ」
佐藤嘉尚「『面白半分』の作家たち」


【文庫】

谷内六郎谷内六郎展覧会〈夏〉」
神津友好「笑伝 林家三平
レイモンド・カーヴァー「Carver's Dozen」
田中光二「オリンポスの黄昏」
埴谷雄高北杜夫「さびしい文学者の時代」
J・バーナード「スクリーン・デビュー」
文藝春秋編「日本映画ベスト150」
文藝春秋編「ミステリーサスペンス洋画ベスト150」
角田光代佐内正史「だれかのことを強く思ってみたかった」
宮田珠己「旅の理不尽」
森達也放送禁止歌
谷沢永一「私の『そう・うつ60年』撃退法」
谷口ジロー「犬を飼う」
中上健次「蛇淫」
神保�一郎「クラシック音楽鑑賞事典」
洲之内徹「気まぐれ美術館」
フォイエルバッハ「カスパー・ハウザー」
伊藤桂一静かなノモンハン
荒俣宏「異都発掘」
江藤淳アメリカと私」
穂村弘「本当はちがうんだ日記」
美濃部美津子「三人噺」
永田哲朗「殺陣チャンバラ映画史」
山城新伍「おこりんぼ さびしんぼ」
石原莞爾「戦争史大観」
小林信彦「喜劇人に花束を」
矢吹晋編「周恩来『十九歳の東京日記』」
吉田満戦艦大和ノ最期」
大塚英子『「暗室」のなかで』
桑田佳祐「ロックの子」
日影丈吉「幻想博物誌」
色川武大狂人日記
山田洋次「映画を作る」
山田洋次「真二つ」
辰野隆フランス革命夜話」
堀江誠二「吉本興業の研究」
エリアーデ「ホーニヒルベルガー博士の秘密」
山口瞳「諸君!この人生、大変なんだ」
井田真木子「もうひとつの青春」
尾辻克彦赤瀬川原平「東京路上探検記」
レヴィ・ストロース「悲しき南回帰線(下)」
寺山修司「さかさま世界史英雄伝」
杉浦明平「カワハギの肝」
色川武大「虫けら太平記
阿部次郎「三太郎の日記」
三遊亭圓生「噺のまくら」
亀井俊介「サーカスが来た!」
ならやたかし「ケンペーくん」
多田鉄之助「食通ものしり読本」
文藝春秋編「ラブシーンベスト150」
石川光陽「昭和の東京」