「作家の手」でほぐされる。


 今日は遅番。


 出勤前に修理に出していた携帯電話を受け取りにauショップに行くが、まだ10時に5分足りない。シャッターは3分の1しか開いていない。時間つぶしに近くのドトールに入り、ブレンドを頼む。コーヒーを飲みながら野口冨士男「作家の手」(ウエッジ文庫)を読んでいると、週はじめの気持ちの固さが少しずつほぐれていくような気がする。10分ほどで店を出るとすでにauショップのカウンターは2人の中年女性で埋まっていた。また「作家の手」を読んで時間を過ごす。30分ほどで無事携帯電話は帰ってきた。基板とキーパットを交換された愛機はこれまでの傷もなくなり、ほとんど新品同様となってなんだか人見知りされているのかと思うほどよそよそしく見える。


 梅肉入りのおこわを買ってから職場へ行き、あれこれ働いて退勤。

 本屋へ。


 雑誌を2冊購入。前者は特集“いま書評はどうなっておるのか!”。後者は“サライの東京散歩”で、巻頭エッセイ小林信彦人形町―新旧混在の町」、坪内祐三西加奈子「発車オーライ!はとバス日帰り旅行」、「作家小沢信男が選ぶ『東京案内』名著10冊」とくればやはり買ってしまう。


 夕食をうどんの店でとりながら、『本の雑誌』から坪内祐三「今こそ新聞書評は重要だ」を読む。銀座と下高井戸の近藤書店が出てくるいつものツボちゃん節を楽しむ。


 バスで柳家喬太郎「擬宝珠」を聴きながら帰る。マクラが長くて、テンションが高くて、面白い。禁煙ファシズムの話から、ウルトラマンフィギアのガチャガチャへと流れ、その際にガチャガチャにハマる人間の心理を説明するために横浜にぎわい座のロビーで噺家フィギアのガチャガチャが売られていたらという想定が出てくるのだが、思わず「欲しい」と思ってしまった。


 帰宅して『本の雑誌』から絲山秋子豊崎由美「書評採点ページを作ってくれぃ」(対談)などの特集ページと「坪内祐三の読書日記」、荻原魚雷「徒然古本鑑賞」などの連載ページを堪能。
 続いて『サライ』から先ほど挙げた小林信彦エッセイなどのページを読む。大屋書房店主の纐纈公夫さんと鹿島茂さんの「本と珈琲の街、神保町探索」で鹿島さんが推薦の昼食として「丸香」のかけうどんにゲソ天を挙げているのにうなずく。