「こころ」から教科書へ。

 珍しく連休を連休として過ごす。


 ただ、昼から職場へ。どうしても行かなければならないわけではないのだが、行ってしまうのはどこか仕事に対する不安があるからだろう。


 いくつかの仕事を済ませて職場を出る。駅ビルで買い物。新しい皮靴を買いにスーツショップに行ったのだが、前にその店で買ったスリッポンの靴はデザインが変わってしまいうまく足が入らなくなっていた。断念してネクタイだけ買って出る。


 本屋で。

国語教科書の中の「日本」 (ちくま新書)

国語教科書の中の「日本」 (ちくま新書)

 大学時代この石原氏と小森氏が発表した夏目漱石の「こころ」論が面白くて近代文学を専攻したことがうれしくなった思い出がある。その両氏が時を同じくして国語教科書を題材とした新書を発表したとなれば、ついつい買って読み比べてみたくなる。
 石原氏は以前に同じちくま新書から「国語教科書の思想」を出していて面白く読んだのでその続編である本書も興味がそそられる。こちらは小学校・中学校の教科書を対象としているのに対して、小森氏のものは「舞姫」、「こころ」、「羅生門」、「山月記」など高校の教科書を対象としている。


 レジ横で『本が好き!』(光文社)11月号をもらってくる。


 帰宅して『本が好き!』から南陀楼綾繁「本町通りを歩こう」最終回を読む。最後は高遠ブックフェスティバルを取り上げている。南陀楼さんの文章を読むと思っていた以上にフェスティバルが大規模なものであったことがわかる。ほんの5年前まではヘイ・オン・ワイのような「本の町」が日本にもあればいいなと漠然と思っていただけだったのだが、今ではこうしてそれが現実のものとなろうとしているのだ。やっぱり、一度高遠には行かないといけないな。
この連載は11月に光文社新書の1冊として刊行されるとのこと。南陀楼さん初の新書ですね。楽しみだ。

 『本が好き!』は12月に出る2010年1月号で休刊するそうだ。後発の出版社PR誌の中では連載も充実していて好きな方だったのだが、〈弊社も出版不況の例外にあらず〉と言われれば、書店で貰うだけで一度も身銭を切って買ったことのない自分には何も言う言葉はない。


 紅野謙介「検閲と文学」と司馬遼太郎坂の上の雲」を読み継ぐ(後者は1巻読了)。