白と黒と中央の赤。


 午後から家を抜けだす。


 神保町への直通電車に乗りながら「坂の上の雲」第1巻を読む。


 神保町の古本屋街で地元では買えない雑誌と本を買い込む。

 まずは東京堂書店の3階で。

  • 『ほんまに』10号
  • 南博「白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編―」(小学館
  • 南博「鍵盤上のU.S.A.―ジャズピアニスト・エレジーアメリカ編―」(小学館

白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編

白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編

鍵盤上のU.S.A.

鍵盤上のU.S.A.

 畠中さんにちょっと挨拶。『ほんまに』には北村知之さんによる山本善行さんインタビューが掲載されている。南博本はやっと入手できた。



 続いて三省堂の4階で。

狂乱西葛西日記20世紀remix

狂乱西葛西日記20世紀remix

 確かに店員さんがみな赤いTシャツを着ていた。着用しているOさんに挨拶。ただ女性店員さんは黒いカーディガンを羽織っていてTシャツが目立たないようになっていたのがちょっと気になる。大森本は「あとがき」に浜本茂発行人が「日記好きの人はね、長ければ長いほどうれしいんですよ」と言ったと書かれていたが、その通り。日記好きなのでこの6年に及ぶ500ページの日記本はうれしい。それに応援したい本の雑誌社となれば買いですね。


 コミガレを覗いてから伯剌西爾でカボチャのタルトにブレンドでひと休み。『ほんまに』から山本善行さんのインタビューを読む。聞き手の北村さんらしいなあと思ったのは、自分の蔵書を売ることに対するこだわりがなかったかを質問しているところ。また、善行堂で買った本を書影入りで並べているのだが、そのラインナップにもらしさを感じる。山本さんの言葉では〈品揃えについては、「スムース」のメンバーのだれが来ても買える店になりたいな。〉が印象的。


 善行堂店主の山本さんと言えば『中央公論』に「『古書 善行堂』開業泣き笑い実録」が載っているはず。これは地元でも買えるが、日曜日も開けてくれている岩波ブックセンターで購入する。赤い『中央公論』ってなんか意外だな。『図書』10月号をレジで貰った。


 日本特価書籍で。

  • 石原千秋「読者はどこにいるのか」(河出ブックス)

読者はどこにいるのか--書物の中の私たち (河出ブックス)

読者はどこにいるのか--書物の中の私たち (河出ブックス)

 昨日買い残していた1冊をここで。大学時代にイーザー「行為としての読書」やヤウス「挑発としての文学史」、前田愛「近代読者の成立」を本棚の肥しにしていた僕としては“読書論”のエッセンスをまとめたというこの本はやはり見過ごせない。それにしても石原さんは寡作な紅野先生とは正反対の多作ぶり。今でも書店の平台に新書の新刊が2冊並んでいる状態だ。


 帰りも「坂の上の雲」を読みながら。


 駅からのバスを途中で降りて中華料理屋へ。レタスチャーハンとミニ酢豚に海老餃子。ここで『中央公論』から山本さんの善行堂開店までの文章を読む。8月に善行堂にお邪魔した時にこの文章を依頼されてどう書くか考えているのだと聞いていたが、過不足のないいい文章だなあ。読みやすくてユーモアがある。酢豚も文章も満足して店を出る。


 家で『図書』の“11月刊行予定の本”欄を眺めていると「岩波国語辞典 第7版」が。この第5版を大学時代に愛用していたので懐かしい。久し振りに新版を手元に置いてみようかと思う。


 今日ポストに届いていた「ヨコハマ古書まつり目録」で聖智文庫さんに注文メールを出す。人気のある本だけにこの値段でも競合者は多いはず。あとは運任せ。