昨日が呼んだ今日の本。


 今日は午前中は職場で机仕事をし、午後からは出張で野外仕事。おかげで今回も一箱古本市には行けなかった。


 野外仕事の合間に司馬遼太郎坂の上の雲」(文春文庫)第1巻を取り出して読む。昨日本屋で関川夏央「『坂の上の雲』と日本人」(文春文庫)を買ったのをきっかけにしてブックオフで揃えた全8巻に今日から挑んでいこうというわけ。

「坂の上の雲」と日本人 (文春文庫)

「坂の上の雲」と日本人 (文春文庫)

 昨日買ったと言えばもう1冊。

  • 『文藝』2009冬号

文藝 2009年 11月号 [雑誌]

文藝 2009年 11月号 [雑誌]

 特集“小説の書き方、読み方、愉しみ方”にもそそられるが、どちらかというと目当ては河出書房新社から創刊される「河出ブックス」という選書の第1回配本の著者である石原千秋氏と紅野謙介氏の対談「今『教養』を呼び戻すために―河出ブックス創刊にあたって」の方。新書が近年のブームによって昔の教養書の位置からもっと軽いものになってしまったため、以前の新書の役割を選書がになっているのだという話に耳を傾ける。石原さんが司会の編集者に講談社メチエと河出ブックスとの違いをけっこうしつこく尋ね編集者がちょっと困っている風で答えているのが面白い。


 というわけで今日出張帰りに横浜西口の有隣堂でこれを買う。

  • 紅野謙介「検閲と文学 1920年代の攻防」(河出ブックス)

検閲と文学--1920年代の攻防 (河出ブックス)

検閲と文学--1920年代の攻防 (河出ブックス)

 紅野先生には学生時代にちょっと教わったことがあり、いつもそのご著書を楽しみにしている。研究者の方にこういう言い方は適当かどうかわからないが寡作な方で「書物の近代」(ちくま学芸文庫)、「投機としての文学」(新曜社)につづきこの本でまだ3冊目。新書と研究書を書き分けている石原氏と違い自分は自己認識以上に軽くなることを求められる新書を書くことができないと対談で語っていたので、紅野先生の次の本を読むことができるのは当分先のようである。まあ、先をあせらず「検閲と文学」を読むことにしよう。


 バスの中で桂枝雀「時うどん」を聴きながら帰宅。


 テレビでサッカー日本代表スコットランド代表戦を観る。スコットランドの選手の地味で華のない感じに好感を持つ。


 「チューボウですよ」は“酢豚”。酢豚大好きなんだよな。明日食べよう。