昨日の月。

 昨日も今日も出張野外仕事。


 昨日は雨の降る中をカッパを着て作業をしたことを考えると、予想以上に暑く日差しの強かった今日はまだましだと思いつつ仕事をする。


 夕方仕事が無事終了。若い女の子たちが稜線に近い位置にある月を見てキャアキャア言っているので「初めて月を見たわけじゃないでしょ」と言ったら、「だって昨日仲秋の名月だったじゃないですか。月があんなに大きくてキレイなんですよ」と答えが返ってきてすっかり秋の名物を忘れていたことに気付かされる。

 昨日も同じくらいの時間帯に仕事を終え、帰路途中にあるブックオフを久しぶりに覗いたところ同僚からメールがあり、僕の担当する部署にトラブルが発生したことが分かったのでブックオフを後ろ髪をひかれながら後にし、職場へ。事態処理のための電話を5,6本掛け、同僚から情報収集した後に帰宅したというありさまだったため月に目をやる余裕すらなかったのだ。ところで、昨日月なんて出ていたっけか。


 さて、今日はブックオフや職場には寄らず、地元の本屋に行く。

  • 『考える人』2009年秋号
  • 『東京人』11月号

考える人 2009年 11月号 [雑誌]

考える人 2009年 11月号 [雑誌]

東京人 2009年 11月号 [雑誌]

東京人 2009年 11月号 [雑誌]

 前者は“活字から、ウェブへの……。”、後者は“映画の中東京”という特集であればやはり手が出ます。


 『考える人』では活版で組んだ堀江敏幸氏の「光を吸い込むくぼみ」という活版に関する思い出のエッセイが載っている。活字と堀江氏。確かに相性はいい。『東京人』の表紙は勝鬨橋に立つ三船敏郎原節子。映画「東京の恋人」からのスチール写真とのことだが、こちらのミーハーごころをくすぐってやまない。この特集とくればやはり川本三郎氏が活躍。エッセイの他に大瀧詠一氏の話の聞き手をつとめている。“川本三郎ミーツ大瀧詠一”なんてありそでなさそないい組み合わせだと思う。大瀧氏は川本さんの「銀幕の東京」(中公新書)からヒントを得て成瀬巳喜男監督の「銀座化粧」と「秋立ちぬ」における類似性やロケ現場となった場所の調査を行いそこからわかったことを報告している。音作りにこだわる大瀧流が映画にも波及しているのを面白く感じる。大瀧さんのプロフィール欄に〈現在では自らを「生活家」とし、働いてはいないが遊んではいない、引いてはいるが籠ってはいない、と語る〉とあるのがおかしい。



 帰宅して上記2冊の雑誌をチェックした後、小林信彦黒澤明という時代」を数章読む。



 この週末は穴八幡の青空古本まつりなどのイベントもあったのだが、どこも行かれず。残念。