崩れの上のポニョ。

 体調が今一つなので早めに職場を出る。


 電車で2駅程行き、区役所へ。ここで定額給付金の支給と期日前投票が行われているのだ。


 まず、定額給付金から。現金手渡しのため警備員がずらりと並んでいて物々しい雰囲気。市役所の職員と思われる人たちがブックオフかと思うくらい「こんにちは」、「いらっしゃいませ」的な声を頻繁にかけてくる。一番耳に残ったのが「ありがとうございます」の言葉。税金を払いにいったのならともかく、お金をもらいに行ってお礼を言われるのはしっくりこない。たぶん、通知を出しても銀行振込みの手続きをしない(僕がそれだ)、現金給付に切り替えても取りに来てくれないという人々が多ければ多いほど期間が終わった後の処理に困るので来てくれると仕事の都合上助かるのだろうなと勝手に推測する。まさか、選挙前の自民党のアピールってことはないよね。


 無事12,000円をもらって今度は別棟にある投票所へ。若者が結構来ていた。やはり遊びに行く土日を避けているのだろう。それでも投票に来るというのは今度の選挙の投票率の高さを予想させる。こちらは単純に土日と仕事なので来たわけだが。


 さてカバンには給付金がある。これは景気回復のためのバラマキ金だから使わなくてはいけないよね。で、個人的にどこに景気回復してほしいかと言えばやはり出版業界であり、書店である。となれば地元の本屋へ。

彼女のいる背表紙

彼女のいる背表紙

原っぱが消えた―遊ぶ子供たちの戦後史

原っぱが消えた―遊ぶ子供たちの戦後史

 堀江本は、前から気になっていたのだが北條さんが堀江さんの中で一番いいと書かれていたので益々欲しくなった。

 堀切本は、まずその緑色を基調とした装丁に惹かれ、その内容に惹かれた。岡崎武志さんが追っていたマンガに出てくる土管のある空き地や原っぱという60年代的風景が僕の原風景でもある。また、晶文社へのごくささやかなエールでもある。


 頭がぼんやりしているのでDVDを借りてきて家で観る。借りたのは「崖の上のポニョ」と「チェンジリング」。


 今日は「ポニョ」を観る。こんなの初めてなのだが、途中で画像が止まり、どんどん細分化され崩れて行く。そのシーンを飛ばすと順調に画面が動き、またクライマックスで画面が崩壊する。おかげで観たようなまだ観られていないような不思議な感じ。嫌いじゃないけど、ストーリーより絵重視の作品に思える。山口智子が声をやっている男の子の母親がいい。現実離れしたファンタジーの世界を成り立たせているのはひとえに彼女の存在なのだ。