ロマンスのこだま。

 

 休日出張で小田原へ。


 前回来た時と同様、駅の待合室の中にある売店のウエッジ出版物棚をチェックし、買い逃していた橋本敏男「増補 荷風のいた街」(ウエッジ文庫)を入手する。朝の8時に書店は開いていないが、駅の売店は開いているのだ。駅構内の箱根ベーカリーでアンパンを買ってから仕事現場へ。

荷風のいた街 (ウェッジ文庫)

荷風のいた街 (ウェッジ文庫)

 現場は山の上にあるため寺の多い坂道を登って行く。4月に来た時は気付かなかったが、ずいぶんと紫陽花の多い道だ。坂の途中から道が大きく右に曲がるのだが、その右に逃げて行く道の左手に沿うように見上げるような紫陽花の壁がある。どんよりと曇った梅雨空に明るい紫の色が映える。



 予想はしていたが、予想を上回る早さで雨が降りだす。仕事が終わるまで傘が手放せず。


 午後の早い時点で仕事が終わる。この後の貴重な休日の時間を有効に活用するために新幹線に乗って帰る。車中では畠山美由紀ロマンスをもう一度」を聴く。小田急ロマンスカーのTVCMで流れていた曲である。小田急はその名の通り小田原を通っているため小田原から乗った新幹線で聴くのもそれほど的外れではあるまいと自分を納得させる。あの曲の全容はこういうものであったか。いい曲だ。畠山さんの歌声ももちろん。このCMソングはアン・サリー嬢も歌っていたもの。アン嬢もアルバムに収録してほしいものだ。

CHRONICLE 2001-2009

CHRONICLE 2001-2009


 早めに着いたので2週間前に出したワイシャツ16枚をクリーニング屋で受け取る。この店が春から閉店時間を平日7時(日曜6時)と早めてしまったため、仕事帰りによることが不可能となり、先週の日曜も休日出勤だったあおりを受けて、取りに行くことができなかったのだ。2週間前に初めて見た新しい主婦アルバイトの女性があれこれ迷いながら探し出しワイシャツを渡してくれる。きっと家でもおっちょこちょいで旦那さんに小言を言われたりしているんだろうなと思いたくなるくらい行動がスムーズに行かない人なのだが不思議と嫌な感じがせず、むしろ微笑ましく思えてしまう。


 家に帰ってこれも2週間ぶりに洗濯機を回す。雨がざあざあ降っているのだが、もう着替えの余裕がないため湿気の多いこの時期の室内干しも致し方なし。電話が鳴る。さっき行ったクリーニング屋の店主から。どうやら僕が受け取ったのは16枚全部ではなかったそうでまだ渡し損ねたシャツが何枚かあるとのこと。あのアルバイト女性が怒られてなきゃいいけど。


 いろいろやることが溜まっているのだが、心身の疲れを癒すために「ウォレスとグルミット、危機一髪!」のDVDを観る。今年「ウォレスとグルミット」の新作映画が公開されると知り、先日から「チーズ・ホリデー」、「ペンギンに気をつけろ!」と時間を見つけて観直してきたのだ。どれもやはり傑作。なにはともあれチーズをのせたクラッカーを食べたくなって仕方がなくなるのもこのシリーズの力である。

ウォレスとグルミット、危機一髪! [DVD]

ウォレスとグルミット、危機一髪! [DVD]


 今度の週末は池袋往来座外市だ。ごそごそと本を探し始める。