スパゲッティのある街。

 ひさしぶりの休日。9時前に目覚めて、洗濯機を2度回す。洗濯をしたのは何週間ぶりだろう。帰宅が夜遅く、土日も仕事となれば洗濯機のスイッチを押す機会がないのだが、今日は海老一染之助・染太郎級の働きをしてくれたので、ベランダに白いシャツが洗剤のCM並に並んだ。



 これまで滞っていたあれこれを片付けるべく、まずはワイシャツ16枚の入ったバッグを背負ってクリーニング屋に行き、その足で駅前まで出る。駅ビル内のスーツショップでスーツを2着買う。これまで若者向きの店という印象から避けていたのだが、意外にもスタンダードな3ボタンのジャケットに2タッグのパンツのセットがあったので即決する。地元の店だから仕事の帰りにすそ上げをしたスーツを取りに行けるし便利だ。


 昼食を食べに駅前に昔からある喫茶店に入る。僕がこの駅にある職場に勤め始めた20年前からある店。ドトールができ、スタバが現れ、昔ながらの喫茶店がだんだんと姿を消す中でこの店は昔と変わらずここにある。「まりも」という店名を聞いただけで行ったことのない人でも店の古さや雰囲気が想像できるだろう。ナポリタンのセットを頼む。今朝起きぬけに見ていたテレビアニメ「クロスゲーム」(あだち充原作の野球漫画)でヒロインの実家の喫茶店(「タッチ」と一緒!)で客がやたらにナポリタンを注文するシーンに影響されたようだ。


 さっき本屋で買った『ダ・ヴィンチ』を読みながら喫茶店ナポリタンを味わう。「さぼうる2」ほどではないが、ここのも結構うまい。こういうパスタではないスパゲッティが食べられる店がまだこの街に残っていることを喜ぶ。『ダ・ヴィンチ』を買うのは久しぶりだが、西原理恵子特集なので思わず手が出た。仕事に追われて心身がきつくなった時はサイバラ節を聞くのに限る。小さいことを気にせず、だめな人間であってもしっかり生きていこうという気にさせてくれるから。

ダ・ヴィンチ 2009年 07月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2009年 07月号 [雑誌]


 必要な買い物を済ませたので、地下鉄にひと駅乗って最近ごぶさただったブックオフへ。やっぱり、ストレス解消にはここが一番。105円棚から心ゆくまで本を買う。


 帰宅して、一息ついてから満を持して村上春樹1Q84」のbook1を読みだす。たぶん、多くの人がやったであろうようにyoutubeヤナーチェックの「シンフォニエッタ」を流しながら。

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

 本当はまだ落ち着いて長編小説を一挙に読み進めることができるほどの余裕はないのだが、ネットなどでちらほらと「1Q84」に関する文章が目に入るようになってきてしまっているため、予断抜きにこの作品を読むにはもうギリギリの線だと判断したのだ。


 このところほとんど本も読んでなかったし、とくに小説の世界にどっぷりはまるようなこともなかったためなかなか読み進まず。途中BGMをジャズに変え、洗濯物を取り込んだり、夕食を食べたりしながら、ただ今168ページ。まだ、何も語ることなし。